パーソナライズ献立提案・栄養管理支援アプリ『おいしい健康』を運営するおいしい健康はこのたび、乳がんの人に向けた治療法別の食事支援機能を追加・リニューアルしたことと発表した。

おいしい健康、乳がんの人に向けた治療法別の食事支援機能を追加 治療中・治療後の身体状態に合わせた食事を支援

■乳がんの治療中・治療後の身体状態に合わせた食事支援機能をリニューアル

おいしい健康では、2019年に乳がん、がん治療中の食事管理を支援するサービスを開発。乳がんの人では治療法により異なる症状や食事への悩みが生じる場合があることから、このたび抗がん剤治療中、ホルモン療法中、放射線治療中の方や治療を終えた・経過観察中の人などの、治療法や治療の段階別での食事支援機能をリニューアル。

乳がんの治療を支える食事のとり方
乳がんでは、治療法によって様々な症状がみられる場合がある。おいしい健康では、それぞれの治療に伴う症状に対して困りごとがある人へ、以下のような食べ方やレシピを優先的に提案。

抗がん剤治療
抗がん剤治療はがん以外の正常細胞にも影響を与える可能性があるため、副作用としてさまざまな症状があらわれることがある。

<起こりやすいおもな症状>
口内炎/吐き気/下痢/味覚障害/食欲不振/倦怠感/脱毛/白血球減少など

<症状に合わせたレシピ提案例>
酸味の強いものを控えたレシピ/口あたりのよいレシピ/消化にやさしいレシピ/ソースやケチャップなどのはっきりとした味付けのレシピなど

ホルモン療法
ホルモンの影響で増殖するタイプのがんに対して、ホルモンの分泌や働きを阻害することで治療する方法。ホルモンの1つであるエストロゲンの低下や薬の種類などによって、副作用として以下のような症状があらわれることがある。

<起こりやすいおもな症状>
ホットフラッシュ(ほてり)/骨密度低下/性器出血などの生殖器の症状/気分が落ち込む/イライラするなど

<症状に合わせたレシピ提案例>
さっぱりとしたレシピ/ひんやりとしたレシピ/カルシウム補給ができるレシピ/ビタミンD補給ができるレシピなど

放射線治療
がんに高エネルギーのX線を照射することで細胞の中の遺伝子に作用し、死滅させたり小さくしたりする治療法。放射線の照射部位によって以下のような症状があらわれることがある。

<起こりやすいおもな症状>
放射線照射部位の皮膚の赤みやかゆみ、水ぶくれ/照射部位(鎖骨上窩(首の付け根で鎖骨の上の部分)にも照射を受ける場合)によってのどの違和感や飲み込む時の痛みなど

<優先的に提案するレシピ例>
のどに痛みがあるときに:やわらかい口あたりのレシピ/香辛料を控えたレシピ/酸味の強いものを控えたレシピなど

また乳がんでは、肥満などの生活習慣因子も関与していると考えられており、適正体重を保つことも大切。適正な体重を維持するために、食事から十分な栄養をバランスよくとることは大切であるが、毎日の生活の中でうまく取り入れるのは困難なもの。AI献立や栄養管理支援アプリの便利な機能で乳がんの治療を支える食事を、簡単に手軽に実現できるとのことだ。

出典:日本乳癌学会 乳癌診療ガイドライン2022年版
   日本乳癌学会 患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版