本コラムは、企業・団体などから寄稿された記事となります。掲載している取り組みやサービスの内容・品質、企業・団体などをAMPが推奨・保証するものではありません。

各企業・一人ひとりのパートナーシップ構築の加速をサポートするため、サステナブル推進企業の取り組み事例をコラム形式で提供。

今回は株式会社モリタの取り組みを紹介する。

株式会社モリタの取り組み

ここでは、サステナブルな社会の実現に向けた事業内容について
▼アプローチ視点
▼実施内容
▼推進体制
の3つの視点を一覧形式で紹介する。

アプローチ視点 歯科医療に携わる企業として策定した「医療」「人」「地球環境」という3つの社会的課題解決テーマをモリタグループとして実現できるように取り組んでいます。
実施内容 質の高い医療を普及するため最良の製品・サービスの開発や提供。良好な口腔状態を保つことの重要性の啓発と歯科健診の推進、環境保全への取り組みの3つを中心に、社内外のステークホルダーを巻き込んで推進を図っています。
推進体制 2019年にSDGsの取り組みを宣言。グループ会社間を跨いだ推進プロジェクトを発足し、モリタグループとして取り組むテーマを策定しました。2021年より社内公募で選抜された「SDGs事務局」を設置し、各部署や個人が自発的にSDGsを意識した行動ができるように推進しています。

取り組み実施に至った背景

2019年に社内においてSDGsの取り組みを宣言しました。当社には、1916年の創業時より今日まで“四恩の精神”が息づいています。四恩とは、天地・国家・父母・衆生の四つの恩のことで、生きとし生けるものは何らかの恩によって支えられていることを感じ、感謝の気持ちを大切にしなければならない、という意味です。

この「四恩の精神」をすべての活動のバックボーンとすることで、事業を通じた社会貢献のあるべき姿を具現化しようとしてきました。この価値観がSDGsの示す考え方と合致していました。今まで当たり前に行っていた自分たちの価値観と事業活動が改めて社会貢献に繋がっているということを再認識できたように感じています。

まずは、管理職を対象に有識者によるSDGs社内講演会の実施から始まり、その後社内でプロジェクト化という本格的な活動になりました。

当社のSDGsの取り組みは、「医療」「人」「地球環境」という3つの社会的課題解決テーマを設けて進めています。また、歯科業界に身を置く企業として、歯を大切することの重要性を人々に理解してもらうことを願っています。日本は健康でいることに対して、歯への意識は高くないと感じています。一方で、口腔状態が全身疾患に及ぼす影響は医学的にも証明されており、2022年には政府が骨太の方針に国民皆歯科健診を明記し、実現に向けて動き出しています。

加えて、医科・歯科の垣根を超えた動きも出てきています。このように歯科業界はいま、持続可能な社会の実現のためには必要不可欠な業界であると自覚しています。当社だけの活動ではなく歯科業界を通じたSDGs活動にしていく予定です。

実施している取り組み

3つの社会的課題解決テーマを設けてる中で、「医療」においては、質の高い医療の普及のため、最良の製品・サービスを開発と提供という、従来からの事業活動により磨きをかけて取り組んでいます。環境配慮や先進的な技術を用いた製品・サービスの開発や提供に努めています。また、大学とも共同で取り組みを行い、学術研究や製品開発にも力を入れています。

「人」においては、健康経営を取り入れています。特に歯科医療に携わる企業として、社員の歯科健診受診100%を掲げています。近年は、サプライチェーン関係にある協力会社へ歯ブラシなどのセルフケアグッズの提供や歯科健診の重要性を広める活動を行っています。

「地球環境」においては、事業活動におけるプラスチック削減を目指し、小さな取り組みでもまずはできることから進めています。具体的には、社内外で使用していたプラスチック製ファイルを紙製のファイルへの変更や、使用済みの歯ブラシのリサイクルを行うプロジェクト活動への参加もしています。

SDGsに関する情報発信として、社内へは社員全員に対し、SDGsの理解を促進するEラーニングの実施やオリジナルエコバックを配布し、まずはSDGsという言葉を覚えてもらうことから始めました。現在はSDGsをテーマとした社内参加型イベントの企画や、社内報やWEB社内報を通じた情報発信を行っています。

社外へはサステナビリティー活動としてSDGs、健康経営の特設WEBページを公開しています。また歯科業界団体やパートナー会社が開催している歯の大切さの広める啓発活動への協力も行っています。

取り組みを進めるうえで感じている課題は、社員の仕事に対する「自分ごと化」です。どうしても会社からの方針や施策となると、社員が受け身になってしまう傾向があるので、行動に繋がるように改善・改良を行いながら進めています。

サステナビリティ推進体制

2019年に社内で検討が始まり、2020年、当社グループ会社間での横断的なプロジェクトを発足し、2021年にはグループ各社に「SDGs事務局」を設置しました。SDGs事務局は、社内公募により選出されたメンバー10名が兼任で在籍しており、各部署や個人の活動において自発的な行動が起きる姿を目指しています。各部署の行動の後押しになる施策を実施したり、社員からの相談や意見交換の場として活動しています。

今後の目標や展望

「医療」「人」「地球環境」という3つのテーマで取り組んでいますが、我々だからこそ実現できるアプローチや社会的責任を意識しています。

2030年に向けて歯科医療を支えるための製品やサービスを開発・提供し続けること、国民の歯科健診を定着化させること、環境を配慮した企業活動の見直しを行うこと、これらを自社だけではなく歯科業界全体で実現できることを目指していきたいです。

また、他の業界の知見や技術などパートナーシップも積極的に行っていきたいと考えています。国民皆歯科健診に向けた社会的な流れとともに我々の活動も推進していくことで、歯を大切にするということへの意識が高まると嬉しいです。

健口(けんこう)でいることで笑顔が生まれやすくなります。笑顔でいられる人が一人でも多くなることで社会全体が健やかになります。健やかな社会で生きていくことで気持ちが穏やかになります。気持ちが穏やかになることで、また自然と笑顔が生まれるようになる、このような循環を創り出すために前進していきます。

川久保 圭剛
株式会社モリタ マーケティング部メディアプランニンググループ 広報・PR
2015年に株式会社モリタへ入社。社外・社内広報を中心としたコーポレートコミュニケーションを担当。SDGsに関しては2020年に社内プロジェクトメンバーとして活動方針を策定後、2021年より設置された「SDGs事務局」を兼任
▼お問い合わせ先
●企業名:株式会社モリタ
●URL:https://japan.morita.com/sdgs/

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