新生児、特に超低出生体重児の肌は非常にデリケート
この装置は、AI(人工知能)とAR(拡張現実)技術を駆使することで、保育器の中で新生児、特に早産児に触れることなく体重・頭囲・身長などを計測し、成長と健康状態を診断できるものだ。スマートグラスや3Dカメラでの計測を可能としているという。
宮崎大学医学部附属病院では、総合周産期母子医療センターを中心に、出生体重1000g未満の超低出生体重児に対する医療から、病的新生児に対する医療までの集中管理体制をとっている。新生児、特に超低出生体重児の肌は非常にデリケートで、触れるだけでも傷をつけることがある。また、点滴や気管挿管などのチューブを抜かないように、新生児を動かすことにも多大な注意を払う必要がある。医療上、身長・体重等は日々計測する必要があるが、保育器の中で静置させたまま、可能な限り触れず、新生児に負担をかけない計測技術が望まれていたという。
同研究グループによる研究内容について
【研究のポイント】
① 非侵襲 ― デリケートな新生児の肌に触れることなく、体重・頭囲・身長の計測が可能
② 点滴チューブを装着していても計測が可能
③ 3Dカメラ撮影とAI・深層学習による三次元測定データを新生児3D体形標準モデルにフィッティングさせて測定。膝関節が曲がっていても身長が計測可能
④ 新生児、特に超低出生体重児等に関わる医療現場で、医療関係者の精神的・時間的負担の軽減に貢献
【技術内容】
新生児の体重計測は以下のように行う。
① 3Dカメラで新生児を撮影
② 画像内の新生児の認識と切り出し(AI・深層学習)
③ AI・深層学習による頭部・腕・同・手・足などの各部位の認識
④ 各部位に対応する三次元データを取得
⑤ 撮影されたサイズに合わせて、新生児3D体形標準モデルをフィッティング
⑥ フィッティングにより生成されたモデルから身長・体重等を算出
■計測制御学(川末)研究室HP
https://www.cc.miyazaki-u.ac.jp/kawasue/
■旭化成ネットワークス株式会社 CoCo-CAFE NOBEOKA
https://coco-cafe-nobeoka.com/
■宮崎大学附属病院総合周産期母子センター
http://www.med.miyazaki-u.ac.jp/home/obgyn/obstetricsgynecology/223
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