メッセンジャーRNA(mRNA)治療薬とワクチンのパイオニアであるバイオテクノロジー企業のモデルナ(NASDAQ:MRNA)は、新型コロナウイルス(SARS-CoV2)のオミクロン株BA.4-BA.5対応のCOVID-19追加接種用2価ワクチンmRNA-1273.222について、米国食品医薬品局(FDA)から生後6ヵ月~5歳を対象とする緊急使用承認の取得を発表した。
この承認は、モデルナの起源株対応ワクチンによる初回免疫完了後にmRNA-1273.22210μgを追加接種したデータに基づいているという。
追加接種用のmRNA-1273.222には、SARS-CoV2のオミクロン株BA.4-BA.5のスパイクタンパク質をコード化したmRNAと、SARS-CoV2の起源株をコード化したmRNAが含まれているとのことだ。
モデルナの最高経営責任者ステファン・バンセル(Stéphane Bancel)氏は、以下の通り述べている。
「今回のFDAの決定により、米国で生後6ヵ月以上の全年齢層が、モデルナの最新のCOVID-19追加接種用2価ワクチンの接種対象となりました。この冬も引き続き皆さまをSARS-CoV2感染によるCOVID-19から守る重要なツールをご提供できます。FDAのタイムリーな審査に感謝しています。」
オミクロン株BA.4-BA.5対応のmRNA-1273.222は、18歳以上だけでなく、6~17歳に対してもFDAから緊急使用承認を取得している。生後6ヵ月~5歳を対象とする緊急使用承認の申請は、モデルナの起源株対応ワクチンmRNA-1273の臨床試験での追加接種データに基づくものであるという。
また申請にはmRNA-1273.222の非臨床試験、さらにもう一つのオミクロン株対応の追加接種用2価ワクチンmRNA-1273.214の第2/3相臨床試験のデータが含まれているとのことだ。
先月、モデルナは成人500名超を対象とした第2/3相臨床試験において、mRNA-1273.222の追加接種がモデルナの起源株対応ワクチン(mRNA1273)の追加接種と比較して、BA.4-BA.5に対して有意に高い中和抗体価を誘導することを発表。
現在、オミクロン株対応の2価ワクチンにおいて生後6ヵ月~5歳までを対象に、初回免疫と追加接種を評価する第2/3相臨床試験が進行中であるとし、最初の結果は2023年初頭に得られる見込みであるとのことだ。