デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(以下、DAC)とLiveRamp Japan(以下、LiveRamp社)は共同で、広告主、媒体社、データプロバイダーに対し、確定データIDをベースとした次世代データエクスチェンジ環境「LiveRamp Safe Haven」、および媒体社に対し広告在庫の潜在的価値向上を実現する「LiveRamp ATS」を提供開始すると発表した。
「LiveRamp Safe Haven」と「LiveRamp ATS」の提供は、ポストクッキー時代に向けた実効的な解決策としている。
DACは、LiveRampソリューションの提供を通じて、クッキーおよびモバイル広告IDの制限に伴い今後必要とされる確定データをベースとしたID体系の国内での普及と、次世代のマーケティングデータプラットフォーム基盤の構築支援を、市場動向に先駆けて推進していくとのことだ。
■サービスの特長
(1)確定データをベースとした固有ID「RampID」
会員データ・購買データなど個人を特定できるデータを非可逆にハッシュ処理し、さらに独自アルゴリズムで変換することで、推計による仮想IDではなく、確定データによる固有ID(RampID)を生成して配信に利用できる点が特徴。
この処理により生成されたRampIDは、万が一外部に漏洩した場合にも元の個人ユーザーを識別することができない一方、確定データをベースとしているため高い精度でのターゲティングが実現可能となる。
海外ではLiveRampソリューションを活用し、主にメーカー・小売業界で「リテールメディア」といった次世代リテールビジネスモデルの構築にも利用されているなど、RampIDの普及が進んできており、従来の推計による仮想IDと比べても遜色ないデータ量を保有している。
(2)セキュリティが担保されたデータエクスチェンジ環境
固有IDとしてのRampIDのみならず、企業間のデータエクスチェンジおよびデータクリーンルームの用途としても機能する環境「LiveRamp Safe Haven」が、特別な構築をせずとも元より実装されている。
安全な環境でデータをコントロールできる仕組みを用いることで、企業はデータ流通を行い、データビジネスを展開することが可能となる。媒体社は、認証トラフィックソリューション「LiveRamp ATS」(無償モジュール)を導入することで、在庫価値の最適化を実現することが可可能に。
またLiveRamp社は、Google社のデータエクスチェンジ環境であるPAIR(Publisher Advertiser Identity Reconciliation)の連携先の初期パートナーとなっていることから、LiveRampソリューションの拡張性も見込むことが可能。
なお、LiveRampソリューションは多重ハッシュ処理により技術的に安全なデータエクスチェンジを担保しているものの、ID生成前の元データがメールアドレス等の確定データであるという性質上、ユーザー同意取得を基本的な前提としている。
(3)主要なDSP・SSP事業者との接続
MediaMath、Criteo、The Trade desk、Logicad等RampIDで接続可能な国内外の主要大手DSP事業者とのデータ連携・取引が可能となる。
媒体社においては、「LiveRamp ATS」を使いログインユーザーID等をRampID化することで、RampIDベースでのターゲティングやRampIDで取引できるSSPでの在庫販売も行うことができる。DSP・SSP事業者拡大に向けた導入・アライアンスも進めていく予定。
DACとLiveRamp社は今後も、生活者へのプライバシー保護に対する配慮を念頭に置き、企業のデジタルマーケティング活動とデータ利活用を支援するソリューションの開発を積極的に推進していくとのことだ。