INDEX
- 本コラムは、企業・団体などから寄稿された記事となります。掲載している取り組みやサービスの内容・品質、企業・団体などをAMPが推奨・保証するものではありません。
各企業・一人ひとりのパートナーシップ構築の加速をサポートするため、サステナブル推進企業の取り組み事例をコラム形式で提供。
今回は株式会社千趣会の取り組みを紹介する。
株式会社千趣会の取り組み
ここでは、サステナブルな社会の実現に向けた事業内容について
▼アプローチ視点
▼実施内容
▼推進体制
の3つの視点を一覧形式で紹介する。
アプローチ視点 | 通販のベルメゾンを手掛ける千趣会と、二次流通に強みを持つオークネットとの協業により、ベルメゾン会員へ不要品の宅配回収サービスを提供。回収したアイテムをリユースやリサイクルに回すことで、お客様が手軽に環境貢献へ参画できる場を実現しています。 |
---|---|
実施内容 | kimawariは「ライフステージや暮らしの変化で役目を終えたモノを気持ちと一緒にお預かりし、責任を持って、つぎの人・つぎの役割・つぎの世代へ、気持ちをつなぎ、まわす」をコンセプトとし、商品の使用価値の最大化を実現させます。なお、運営は千趣会の子会社である株式会社Senshukai Make Co-が担います。 |
推進体制 | 「サステナビリティ委員会」を発足させ、取締役会の諮問機関として設置。2022年にサステナビリティ方針を策定。委員会の下に事務局を設置し、PDCAサイクルを通じて、全社の各事業部と連動して活動を推進。 |
取り組み実施に至った背景
消費者がモノを手放す際の選択肢が多様化し、とりわけ「リユース」の存在感が増していることと、サステナブルな社会へ大きく移り変わったことがきっかけとして挙げられます。
現在、日本の二次流通市場は12年連続で拡大を続けており、2025年には3.5兆円規模に到達すると予想されています。その中で、通信販売「ベルメゾン」を主力事業とする千趣会が、二次流通のノウハウに強みを持つオークネットとタッグを組むことで、買取を通じてお客様との接点を強化し、より手軽にお客様に循環型社会へ参加いただけるような仕組みづくりに着手しました。
今まで不要品として家に残されていた衣類等を「必要な人のもと」へ届ける、あるいは「必要な資源」へと循環させることで、環境負荷の低減に貢献したいと考えています。また、手軽に環境貢献に参加いただけるよう、できるだけお客様の手間を抑えたサービスを目指しています。
2021年7月より宅配買取サービスを立ち上げ、約1年間のテスト運用を経て、2022年11年1日より「kimawari(キマワリ)」として本格的に稼働を開始。本サービスの第1弾として、まずは衣料品を中心とした宅配買取サービスを「kimawari fashion」の名称でスタートしました。
回収したお品物がいかに無駄なく循環され、次へ活かされたかを可視化することで、お客様に環境への貢献を実感いただけるような仕組みも検討していきたいと考えています。
実施している取り組み
kimawari fashionは、ベルメゾン会員のお客様を対象に展開する、衣料品を中心とした不要品の宅配買取サービスです。一次流通市場で基盤を作ってきたベルメゾンが、お客様のもつ「大事に使ってきたアイテムをただ捨ててしまうのではなく何かに役立てたい」という気持ちに寄り添いつつ、手軽な形でのアイテムの手放しをサポートします。
そこに、協業先であるオークネットのもつ二次流通の専門ノウハウやリユース・リサイクル流通ネットワークを活用し、回収したアイテムを「必要な人のもと」へ届け、または「必要な環境・資源」へ再流通させていきます。
ベルメゾンでは、日ごろからインタビューやアンケート等、積極的なお客様調査を行っています。その中で、ベルメゾン会員のお客様は、「ものを大事にし、愛着をもって長く使う」という傾向が強いことがわかっていました。ただ、宅配買取サービスを展開するにあたって、このようなお客様の気持ちに応えるためにはどのようなコンセプトを立てるべきか、長い議論が必要となりました。
環境貢献への関心は高いものの、一方で行動に移すときの物理的・心理的なハードルを感じているお客様もいらっしゃいます。また、フリマアプリ等ほかの選択肢では満たされないお客様のニーズを捉える必要もあります。
結果、テスト運用と、さらなるお客様へのインタビュー調査を経て、「ライフステージや暮らしの変化で役目を終えたモノを気持ちと一緒にお預かりし、責任を持って、つぎの人・つぎの役割・つぎの世代へ、気持ちをつなぎ、まわす」というコンセプトが生まれました。
お客様の手間をできるだけ抑えるため、ご自宅まで引き取りに伺い、発送用の段ボールもご提供する、ブランド品だけでなくノーブランド品もお引き取り対象とするなど、ご利用いただきやすいようなサービス設計をしています。
回収したお品物は、リユースが難しいアイテムはリサイクル、つまり新たな製品の原料として生まれ変わり、環境負荷の低減のために活用をします。また、サービス利用後に、アイテムをリユース・リサイクルに回したことによる「二酸化炭素と水の削減効果」という環境貢献度合いをお客様へメールでフィードバックすることによって、環境への貢献を実感いただける仕組みを作っています。
サービスを開始する数年前から、先述のお客様調査などを通じて、「モノを使う責任」を強く意識しているお客様が増えていることがわかりました。実際に、テスト運用の検証においても98%という高い買取成約率と、約80%のお客様が継続してベルメゾンをご利用くださったという結果が出ており、お客様にとってもこのサービスに価値を感じていただけていると考えています。
リリースのローンチと共に、新たに策定したコンセプトに沿ってECサイト「ベルメゾンネット」上でのページをリニューアルしました。また、ベルメゾン会員様向けのメルマガや、ベルメゾン公式アカウントのSNSでの発信等、積極的なサービス案内と利用促進を図っています。
サステナビリティ推進体制
2021年より「サステナビリティ委員会」を発足させ、取締役会の諮問機関として設置。2022年にサステナビリティ方針を策定し、PDCAサイクルを通じて、全社の各事業部と連動して活動を推進しています。
今後の目標や展望
二次流通市場の拡大と共に、それを牽引する形で本サービスでの利用者を増やしていきます。お客様が大事に使ったアイテムを、気持ちと一緒にお預かりし、責任をもってつぎの人・つぎの役割・つぎの世代へつなぎ、まわすことで、お客様との関係性構築と循環型社会の実現を同時に目指していきます。
kimawariの語源でもある「気持ちをまわす」には、お客様の気持ちを社会や環境にまわすだけではなく、個人や社会から発せられる気持ちやメッセージを、モノやサービスと一緒にお客様へお届することも視野に入れております。お客様がモノやサービスを通じて「自分の気持ちを暮らしの外へ」、「誰かの気持ちを暮らしの中へ」というように、お客様と社会、またはお客様同士が「暮らし」を接点に、自然と双方向につながりあうことが可能となります。
わたしたちは、この接点で生まれる小さな幸せの集積こそが、温もりのある未来や社会の実現に貢献できるものと考えております。
今後も、こうした理念に共感いただける企業とのコラボレーションを模索し、kimawariという傘の下での様々なサービス開発を進め、よりよい未来や社会への貢献を目指していきたいと考えています。
- 岩本公輔
- 株式会社千趣会 経営戦略部部長 兼 株式会社Senshukai Make Co- 代表取締役社長。千趣会に入社後、ITや経営企画部門を経て、国内での新規事業開発や他社との業務提携を推進。海外にも活動を広げ、主にアジア圏での事業戦略の立案と実行を経験。現在、千趣会経営戦略部長、兼中国・香港オフィスの総経理を担当。グローバル視点やパートナーとの共創を意識したグループ全体の経営戦略を策定し、2022年4月に「株式会社Senshukai Make Co-」を設立し代表就任。これまでの経験を活かし、戦略策定と実現のマネジメントをセットで行う。
- ▼お問い合わせ先
- ●企業名:株式会社千趣会
- ●メールアドレス:pr@senshukai.co.jp
- ●URL:https://www.senshukai.co.jp/main/top/contact/corp.html
本特集(サステナライズ寄稿)に関してはこちらからお問い合わせください。