ポーラは、肌の赤みが増加すると肌の明るさが失われることを発見したと発表した。
その原因の一つが血清中のTARC(タルク)であることも解明し、ヒト末梢血単核球のTARC産生量を抑制するアーティチョーク葉エキスを見出したという。
この知見は、ポーラから発売される製品に応用されるとのことだ。
■肌の赤みと肌の明るさの関係
ポーラは、女性61名(20~49歳、平均34.56±9.48歳)を対象に、顔の肌の赤みと明るさを測定。
関係性を解析した結果、赤みが強いと明るさが低い傾向が捉えられたという(図1)。
■TARC(※1)と肌の赤みおよび肌の明るさの関係
同じ被験者から血液を採取して、血清中TARC量を測定した結果、血清中TARC量が多いと、肌の赤みが強い傾向があり(図2)、TARC量が多いと肌の明るさが失われる傾向に(図3)(補足資料1)。
■ヒト末梢血単核球(※2)細胞を用いたアーティチョーク葉エキスのTARC産生抑制効果
ヒトの血液に含まれるヒト末梢血単核球細胞を使ってアーティチョーク葉エキスのTARC産生抑制効果を評価した結果、刺激因子であるインターロイキン(IL)-13を上記培養細胞に添加するとTARC産生量が増加(379.44±22.43 pg/mL)。
一方、IL-13と同時にアーティチョーク葉エキスを添加するとTARC産生量は146.10±9.62 pg/mLとなり、IL-13によるTARC産生の増加が61%以下に抑制(図4)。
また、アーティチョーク葉エキスを配合した飲料を摂取することで、血清中TARC量が抑えられ、肌が明るくなる傾向を示したとのことだ。
※1 胸腺活性化制御ケモカイン(白血球走化作用を持つケモカインの一種。炎症反応を惹起すると考えられる。)
※2 ヒトの末梢血から分離された単球やリンパ球を含む単核球(単核細胞)