メルセデス・ベンツ日本は、メルセデス・ベンツのラグジュアリーロードスター新型「メルセデス AMG SL」を発表し、全国のメルセデス・ベンツ正規販売店ネットワークを通じて本日より発売すると発表した。
「Super」と「Light」(軽量)を略したモデル呼称であるSLは、1952年に公道を走行できるレーシングスポーツカーとして発表され、ルマン24時間レースで見事なワンツーフィニッシュを飾ったほか、世界各地のレースで輝かしい戦績を重ねた「300 SL」(W194)をベースに、1954年に「300 SL」(W198)として発売されたという。
初代300 SLの誕生から70年を迎え、新型SLはメルセデスAMGによる完全自社開発モデルとして生まれ変わった。SL専用の高剛性プラットフォームによる卓越したドライビングパフォーマンスと快適性を兼ね備えたドライバビリティ、2+2シートレイアウト、そしてF1の技術を採用した新型直列4気筒ターボエンジンがもたらす軽快でパワフルなドライビングを楽しむことができるモデル。
また、インテリアはアナログとデジタルを融合した「ハイパーアナログ」デザインを採用することで、300 SLのデザインをオマージュしながらもラグジュアリーで快適な空間を実現しているという。
エクステリアデザイン
新型SLのエクステリアデザインは、メルセデス・ベンツのデザイン基本思想である「Sensual Purity(官能的純粋)」に、AMGのスポーティな要素を取り入れたデザインとなっている。ボンネットのパワードームなど、随所にSLの長い伝統を受け継ぐ特徴的な要素が施されている。
デザインの優れたバランスにより、先代に比べて機能とスペースが拡大。光と影の交錯によって全体に軽やかなエクステリアとなっており、高い質感と高級感も演出しているとのことだ。また、新型SLがスポーツカーとしての原点に回帰したことを裏付ける筋肉質なプロポーションも特長となっている。
インテリアデザイン
新型SLの室内は、初代300 SLロードスターに始まる伝統を現代的に蘇らせたもので、メルセデスAMGのドライビングパフォーマンスの遺伝子を受け継ぐことで、スポーティかつ快適性に優れたモデルとなった。
さらに、上質な素材と丹念なクラフトマンシップ、ディテールに対する配慮により、ラグジュアリーを感じて頂けるインテリアに仕上がっているという。
コックピットは、センターコンソールに配置された電動角度調整機能を備えたメディアディスプレイに至るまで、ドライバー重視のデザインとし、全体に調和の取れた空間に。2+2シートレイアウトの採用で一新されたサイズコンセプトにより、先代に比べて機能とスペースが同時に拡大されたとのことだ。
ボディシェル
新型SLのボディシェルには、メルセデスAMGが開発したまったく新しい車両アーキテクチャーを採用。軽量なアルミニウム複合シャーシにより最大限の剛性を生み出すもので、精度の高いドライビングダイナミクスや優れた快適性、最適なパッケージング、それにスポーティなボディプロポーションを実現するベースとなっている。
ソフトトップ
ルーフについては、新型SLがスポーツ性をより重視したポジショニングを与えられたことから、先代の金属製バリオルーフに代えて電動ソフトトップを採用。21kgも軽く、重心が低くなったことから、ドライビングダイナミクスやハンドリングにプラスの効果が生まれているという。
これと同時に開発プロセスでは、日常的に使える高い実用性と優れた静粛性を保つことが課題になったが、これを実現したのが3層構造。ピンと貼りつめた外側シェルと精度よく仕上げたルーフライナーの間に、防音マットを挟んでいる。このマットは面積当たり重量が450g/㎡の上質素材を使用しており、優れた防音効果を発揮するという。
パワートレイン
SL43は、直列4気筒エンジンとして初めて「One man, One engine」の主義に従い熟練のマイスターが手作業で丹念に組み上げる「M139」を搭載。SL43は最高出力381PS(280kW)、最大トルク480Nmを発生。
このM139には量産車としては世界初となるエレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーを採用しているという。このターボチャージャーはF1由来の技術で、メルセデスAMGペトロナスF1チームがモータースポーツの最高峰であるF1において長年採用して実績を上げているシステムを直接のベースとするものとのことだ。
サスペンション
SL43は、きわめて軽量かつ可変ダンピングシステムを搭載した高性能なアルミニウム製ダンパーと軽量コイルスプリングを搭載した新開発AMGRIDECONTROLサスペンションを標準装備。
フロントには、メルセデスAMGの量産車としては初めて、5本のリンクをホイールの内側にすべて収めたマルチリンク式が採用されており、そのため運動学性能が大幅に向上したという。ホイールをコントロールする部分とサスペンション機能を受け持つ部分を相互に独立させることで、高い横加速度を可能としつつ、ステアリングシステムに対する駆動力の影響を最小限に抑えている。
リアサスペンションにも、5リンク式が採用。新型SLではバネ下質量を抑える観点から、前後アクスルに搭載されたすべてのサスペンションリンクとステアリングナックル、ハブキャリアを鍛造アルミニウム製としている。
ドライブモード
AMGダイナミックセレクトには「Slippery」(滑りやすい)、「Comfort」、「Sport」、「Sport+」、「Race」、「Individual」の6モードがあり、これを切り替えることで、クルマの特性を快適性重視からダイナミックな設定まで広い範囲にわたって変化させることができる。
アジリティと走行安定性の両立
新型SLは、AMGダイナミックセレクトドライブモードの1つの機能として、AMGダイナミクスを搭載。AMGダイナミクスは統合型車両運動制御システムとして、全輪の制御やステアリング特性、ESP®の追加機能に対してアジリティを強化する介入を行うことでESP®の車両安定化機能を拡張するものであるという。
例えば、速いスピードでコーナリングする場合、短いブレーキ介入をコーナー内側の後輪に対して行うことで、車両の垂直軸まわりに所定のヨーモーメントを発生させ、反応よく正確にコーナーに進入できるようにするとのことだ。
AMGダイナミクスのレベル設定は、安全性を大きく重視するものからきわめてダイナミックなものまで、広い範囲をカバーしている。
エアロダイナミクス
新型SLの開発では、優れた空力効率を達成することが重点目標の1つとなったという。具体的には、空気抵抗の低減と揚力の低減を完璧なバランスで実現することを意味。この面では、メルセデス AMGがモータースポーツで培った幅広いノウハウが大いに寄与しているという。
前後に設けられた、エアロダイナミクスに関係するさまざまな能動的に機能するアイテムは、エクステリアデザインに完璧に一体化されているとのことだ。
そのほか、きめ細かな工夫を施すことで、空気抵抗係数=Cd値は0.31にまで低減されたという。オープントップのスポーツカーとしては非常に優れた値。この優れたエアロダイナミクスにより、低燃費と安定したハンドリングが実現。
MBUX(メルセデス・ベンツユーザーエクスペリエンス)
新型SLには、12.3インチのワイドディスプレイを採用するコックピットディスプレイと、11.9インチの縦型メディアディスプレイの2画面を標準装備している。
また、2018年から順次各モデルに搭載し、熟成が進められてきた、対話型インフォテインメントシステム「MBUX」が、さらに進化。ボイスコントロールは「Hi, Mercedes」をキーワードとして起動。音声認識機能は多くのインフォテインメント機能(目的地入力、電話通話、音楽選択、メッセージ入力・読み上げ、気象情報)に加え、クライメートコントロール、各種ヒーター、照明など多様な機能にも対応している。
また、音声認識だけではなく、タッチスクリーン、ステアリングホイールにあるタッチコントロールボタンでも様々な操作をすることが可能。ドライバーの好みや運転状況に応じて使い分けることが可能で、安全なドライブに寄与。
テレマティクスサービス「Mercedes me connect」
自動車が通信することによりお客様の利便性を向上する先進的なテレマティクスサービス「Mercedes me connect」は、「安心・安全」と「快適」の側面からユーザーのカーライフをサポートするとのことだ。
メーカー希望小売価格(消費税込み)は以下の通り。
メルセデス AMG SL 43(BSG 搭載モデル) ¥16,480,000(¥14,981,819)