電通とデータアーティストは、AIを活用したテレビ視聴率予測システム「SHAREST」をバージョンアップし、「120日先」の長期視聴率予測を可能にする「SHAREST_LT(シェアレスト・エルティー)」を提供開始すると発表した。

これまで「SHAREST」で提供していた「1週間先」のテレビ視聴率を高精度で予測する「SHAREST_RT」に加え、今回開発した「SHAREST_LT」では、広告業界で初めて過去視聴率データの分析に再帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network)を用いたことで、「120日先」の長期(LT:Long-term)視聴率も高精度で予測できるようになったとのことだ。

予測対象は30ターゲット以上、地域は東阪名福に対応しており、今後も順次拡大していくとしている。

<「SHAREST_LT」概念図>

キャンペーン全体の広告効果を可視化する「SHAREST_LT」による「120日先」の長期視聴率予測と、「SHAREST_RT」による「1週間先」の高精度な視聴率予測という、2つの予測モデルを組み合わせることで、達成率を確認しながら最適なCM素材を指定し、広告運用のPDCAを加速させることができる。

例えば、1か月を超えるテレビスポットキャンペーンでも、事前に精緻な広告効果を予測し、期間中にテレビ広告だけでなくデジタル広告や他媒体への出稿計画も、早期に改善していくことが可能になるとのことだ。

<「SHAREST_LT」と「SHAREST_RT」を活用した視聴率予測>

また、広告枠の組み換えソリューション「RICH FLOW」を併用することで、ターゲットの異なる複数のテレビCM素材を、最適な番組に「柔軟に」かつ「自動で」割り付けることも可能になるため、プランニングから運用に至るまで、AI活用による「テレビ広告効果の最大化」が実現できるという。

今後も電通は、テクノロジーを活用した「広告の効率化・高度化」を推進することで、顧客企業の事業成長に貢献していくとしている。