ニコンは、従業員の年収水準を引き上げることを決定した。これにより、従業員の年収水準が現行制度比で平均約3%、一人あたり最大約20%増加することになるとのことだ。

ニコンは、現中期経営計画で掲げる2030年のありたい姿、「人と機械が共創する社会の中心企業」の実現に向け、人的資本への戦略投資を実施し、経営戦略の実行を担う人材の獲得、育成、活躍を強化している。

既に2018年には年功要素の強い評価・処遇制度を廃止し、年齢や性別にかかわらず、担当する職務・役割の水準と成果を重視した、いわゆるジョブ型の人事制度を導入するなど人事制度改革を進めているという。

加えて、2022年度は、国内のニコングループ全体で、新卒採用とキャリア採用を合わせ、前年度比約2倍となる570名の採用を計画しているとのことだ。

今回の年収水準の引き上げもこの取り組みの一環であり、従業員の活躍に対してこれまで以上に報いるとともに、高度な専門性を有する多様な人材を継続的に確保することを企図している。

年収水準引き上げの概要

本年10月から、全従業員を対象に、好業績時における業績連動型の賞与水準を引き上げ。また、課長以上の役職者および特に高度な専門性を持つ人材を対象に、賃金を引き上げるとともに個人の成果に応じた賞与のメリハリを拡大。

さらには、2023年4月以降入社者を対象に、新卒初任給を下表の通り引き上げ。これに伴い、本年7月から、入社6年目までの従業員の賃金を最大で月額2万円引き上げたとのことだ。

これらにより、本年度の通期営業利益が見通しの550億円となった場合には、従業員の年収水準が現行制度比で平均約3%、一人あたり最大約20%増加することになるとしている。

新卒初任給


博士卒修士卒学士卒短大・高専卒高卒
引き上げ額+20,000円+20,000円+20,000円+15,000円+10,000円
引き上げ後
初任給
300,000円252,000円230,000円198,000円179,000円

ニコンは、今後も、競争力のある処遇や個々の能力を最大限に発揮できる環境を整備するなど、人材への投資を積極的に行うことで、持続的な企業価値向上を目指していくとのことだ。