茨城県と三菱ケミカルグループの三菱ケミカルは、鹿島臨海工業地帯における循環型コンビナートの形成や茨城臨海部を拠点としたカーボンニュートラル産業拠点の創出に向け、9月12日に戦略的パートナーシップ協定を締結すると発表した。

茨城県と三菱ケミカル、鹿島臨海工業地帯におけるカーボンニュートラル実現に向けた戦略的パートナーシップ協定を締結

茨城県に位置する鹿島臨海工業地帯は、石油精製や石油化学、鉄鋼の基礎素材産業を中心とした国内有数の産業集積拠点。

国内製造業において重要な位置づけにある一方、温室効果ガスの排出削減など、カーボンニュートラルへの対応が今後の課題となることから、茨城県は2021年に「いばらきカーボンニュートラル産業拠点創出プロジェクト」を立ち上げ、官民学の連携基盤となる協議会の設置や総額200億円の基金の創設など、さまざまな取り組みを推進しているという。

三菱ケミカルグループは、2050年のカーボンニュートラル達成をめざし、国内事業所・工場におけるエネルギー転換の実施や植物由来原料を用いたエチレン、プロピレンなど基礎化学品の事業化検討などを進めている。

特に茨城事業所では、ENEOSと共同で、国内最大規模となる年間2万トンの処理能力を備えたケミカルリサイクル設備を建設中で、2023年度に廃プラスチックの油化を開始することを目指しているという。

茨城県と三菱ケミカルグループは今後、同協定のもと、より密接に連携・協力を行い、鹿島臨海工業地帯を中心に、競争力の高いカーボンニュートラル産業拠点の創出を目指していくとのことだ。

■同協定の概要

目的
鹿島臨海工業地帯における循環型コンビナートの形成や茨城臨海部を拠点としたカーボンニュートラル産業拠点の創出に向け、連携・協力を図ることにより、地域経済の持続的な発展と日本における循環型社会およびカーボンニュートラルの実現を目指す。

連携・協力事項
同協定の目的を達成するため、以下の事項について連携・協力して取り組む。
(1)ケミカルリサイクルによるプラスチック資源循環に関すること
(2)化石燃料由来からバイオ由来の原材料への転換に関すること
(3)コンビナートから排出される二酸化炭素(CO2)の原料化に関すること
(4)新エネルギーおよび再生可能エネルギーの確保に関すること