ブランド総合研究所は、各都道府県の住民に対し幸福度をはじめ、愛着度や定住意欲度など、地域の持続性につながる指標について調査する「第4回地域の持続性調査2022」をインターネットで実施したと発表した。

その結果、住民が最も「幸せである」と感じているのは沖縄県で2年連続1位となったとのことだ。

「第4回 地域の持続性調査2022」は、15歳以上の男女を対象に、2022年5月20日から26日にかけてインターネットで調査を実施し、各都道府県の住民をそれぞれ約500人ずつ計22,973人の有効回答を得たという。

◆都道府県・幸福度ランキング一覧

「幸福度」は、「あなたは幸せですか」という問いに対し、「とても幸せ」、「少し幸せ」、「どちらともいえない」、「あまり幸せではない」、「全く幸せではない」の5段階で評価してもらい、それぞれ100点、75点、 50点、25点、0点で加重平均し算出。

47都道府県の平均は70.1点となり、前年の69.2点より増加しているという。

◆幸福度1位は2年連続で沖縄県に

「あなたは幸せですか」という問いに対し、沖縄県民の回答者のうち41.8％が「とても幸せ」、36.2％が「少し幸せ」と答えるなど、およそ8割が「幸せ」と答えているとのことだ。

幸福度は77.4点で前年の78.1点よりわずかに減少したものの、2年連続1位に。その一方で、「全く幸せではない」はわずか2.6％、「あまり幸せではない」も5.3％と、ネガティブな意見がとても少ないのが特徴であるという。

◆上位は九州が独占、静岡県は急上昇

2位は鹿児島県で75.4点と昨年の15位から順位、点数ともに大きく上昇。3位は宮崎県が74.9点でランクインするなど、上位3県のいずれも九州地区が占める結果となった。

4位は静岡県で昨年31位から大幅にランクアップし、5位の福岡県も12位から上昇しているという。上位には九州など西日本の県が多い一方で、東京都が46位、神奈川県が45位、千葉県が44位と、首都圏の都県は順位が低くなっているとのことだ。

以下では同調査の概要と、結果の一部を紹介。

〈持続性調査の概要〉

この調査は、住民視点で「地域の持続性」を明らかにするため各都道府県の住民を対象に、幸福度をはじめ、生活満足度、愛着度、定住意欲度の4項目を数値化するとともに、それらの総合指標として「持続度」を算出。

さらに、より詳細な分析を行うため、持続性に影響しているプラス要因として住民による地域の魅力度と自慢度、そして魅力要因を数値化。マイナス要因としては、住民が感じている悩みや課題を抽出し数値化しているという。

〈調査の結果概要〉

◆各持続性指標の結果

幸福度以外の持続性指標のランキングは上表の通り。

生活満足度は、「あなたは今の生活に満足していますか」という問いに対し、「とても満足」「おおむね満足」「どちらでもない」「あまり満足していない」 「全く満足していない」の5段階で評価してもらい、それぞれ100点、75点、 50点、25点、0点で加重平均し算出。

愛着度は「あなたは幸せですか」という問いに対して、定住意欲度は「お住いの都道府県に今後も住み続けたいと思いますか」という問いに対して、5段階で評価してもらい、それぞれ100点、75点、 50点、25点、0点で加重平均し算出。

◆総合指標「持続度」の結果

地域の持続性に関する4つの指標（幸福度、生活満足度、愛着度、定住意欲度）の平均値を、都道府県の「持続度」として算出。

47都道府県の平均は71.4点で、前年の71.7点よりわずかに減少しており、47都道府県中で29都道府県が減少していることがわかった結果となった。

◆鹿児島県が急上昇、幸福度2位に

4つの指標すべてにおいて鹿児島県が前年より大幅に点数が上昇している。幸福度は前年の70.2点から75.4点へと5.2点上昇し、順位も15位から2位へと急浮上。

生活満足度は18位から6位、愛着度は5位から3位、定住意欲度は17位から7位へと、いずれも大きく上昇しているという。その要因として、奄美大島、徳之島が世界自然遺産に登録されたことなどが考えられるとのことだ。

◆持続度が最も伸びたのは和歌山県

鹿児島県以上に持続度が伸びたのは和歌山県。前年の70.0点から73.3点へと3.3点も上昇し、順位も35位から11位へ大幅に上昇。同県の「魅力的なところ」として回答した住民のうち82.4％が「海・山・川・湖などの自然が豊かなこと」を挙げているという。

持続度の2位は福岡県で77.4点。幸福度が5位、生活満足度は1位、愛着度と定住意欲度はいずれも2位と県民からの評価が高い。

なお、47都道府県平均では幸福度、生活満足度は前年より上昇したが、愛着度と定住意欲度は下降。その結果、持続度もわずかに下降しているという。

＜調査概要＞

第4回地域の持続性調査2022は、15歳以上の男女を対象に、2022年5月20日から26日にかけてインターネットで調査を実施し、都道府県の住民をそれぞれ約500人ずつ計23,520人を回収し、調査時点で転居などの理由によりその地域に居住していない人を除く計22,973人の有効回答を得たとしている。

調査対象は47都道府県。幸福度、生活満足度、愛着度、定住意欲度という持続指標と、魅力度、自慢度、魅力項目というロイヤルティ指標、そして住民の悩みと、地域の課題に関する設問から構成。

なお、前年度までは「地域版SDGs調査」として実施していたが、今回から地域の持続性に関する設問だけを切り離し、新たに「地域の持続性調査」としたとのことだ。

・調査方法　インターネット調査
・調査対象　47都道府県の登録調査モニター（15歳以上）から、居住する都道府県別に抽出
・総回収数　計23,520人（各都道府県から約500人ずつを回収）
・有効回答数　計22,973人（各都道府県の回答者数は476～514人）
・調査時期　2022年5月20日～5月26日
・調査項目　持続指標：幸福度、生活満足度、愛着度、定住意欲度
　　　　　　ロイヤルティ指標：魅力度、自慢度、魅力項目（自然、交通など計26項目）
　　　　　　住民の悩み：定収入・低賃金など46項目
　　　　　　地域の課題：農林水産業の衰退など50項目
　　　　　　回答者属性：年齢、性別、婚姻、子供の有無、世帯年収、居住形態など