パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda(デューダ)」は、過去11年間のdoda会員登録者数のうち、新社会人で入社月の4月に「doda」に登録した数を分析し、「新卒入社直後のdoda登録動向」としてまとめ結果を公表した。
入社月である4月のうちに「doda」へ登録した新社会人は、今年過去最多という結果となった。
1回目の緊急事態宣言が発令された2020年4月は、働く環境が一変したことを背景に登録者は減少したものの、その後右肩上がりの状態が続いている。特に、2018年4月を境に大幅に増加し、以降は2011年比で20倍を超えている。
2018年以降、登録者数が大きく増加している要因の1つに、新社会人の「はたらく価値観」の変化が挙げられるという。
2018年から2019年にかけて、働き方改革推進や経済界のリーダーによって「終身雇用の崩壊」が叫ばれたことをきっかけに、働き方やキャリアについて考える人が増加。
こうした世の中の変化を受け、2018年度以降に入社したZ世代と呼ばれる人の「はたらく価値観」は、「1社でキャリアを積み、昇格や昇進を目指す」形から、「転職や副業などを通じ複数社で経験を積み、キャリアアップを目指す」形へと変化したとしている。
特に、2022年度に入社した人の多くは、新型コロナの感染拡大により社会全体が混乱に陥っている中で就職活動を行い。先行き不透明な状況の中で、卒業後、そして将来について考える必要があり、不安を抱く人も少なくないという。
その結果、入社をゴールとせず、中長期的な視点でキャリアを見据える人が増加。情報収集のために早い段階から転職サイトに登録する動きが加速し、登録者が今年過去最多になったと考えられるとのことだ。
最近は、企業や組織に依存せず、自らの「はたらく」を自身で選択しハンドリングする「キャリアオーナーシップ」という考え方が重要になってきているとし、今後、就職活動時から転職を意識する「転職ネイティブ世代」が台頭することが予想され、4月の新社会人の登録は右肩上がりで増加すると同社は考察している。