バーチャルキャストおよびそのグループ会社のインフィニットループは、明電舎およびその子会社の明電システムソリューションと共同で、製造現場などにおける労働者の危険の感受性を高め、労災防止につなげるための教育をメタバース上で展開できる「メタバース安全体感教育」を開発したことを発表した。f

「メタバース安全体感教育」イメージ

「メタバース安全体感教育」は、バーチャルキャストが運営するメタバースコミュニケーションサービス「バーチャルキャスト」と明電舎の教育ノウハウを融合させた明電グループ初のメタバース上の非接触型安全体感教育。

同教育プログラムは、講師と受講者がそれぞれアバター(自分自身の分身を表すキャラクター)となって実施するもので、バーチャルキャスト内に構築したメタバース(仮想空間)上において、リアルで開催する安全体感教育に近い教育環境を再現しているという。

アプリをインストールしたパソコン、ヘッドマウントディスプレイ、コントローラーがあれば、場所を問わず教育を受けることできるため、移動やコロナ感染のリスクなどを考慮することなく、安全体感教育を実施することができるとしている。

初回コンテンツとして開発された「運転中の撹拌機で切創体感」は、2022年度から明電舎の社内教育で活用を開始。

撹拌機は、素材の混合に広く使われる機械で、撹拌機に材料を投入する作業において、ミスにより中に落としてしまったものを稼働したまま拾うという不安全行動を体感。このように、メタバース環境においてリアルでは再現できない危険な状況を安全に疑似体験することが可能とのことだ。

なお、バーチャルキャストは今後、「プレス挟まれ体感」、「火災体感」、「回転機巻き込まれ体感」などのコンテンツ拡充を計画しているほか、過去に明電グループ内で発生した災害や事故の事例を語り継ぎ、学ぶための「安全伝承館での学習体感」などもメタバース上で提供を予定。

また、将来的な外販も視野に入れて更なる開発に取り組んでいくという。

バーチャルキャストおよびインフィニットループは、今後も両社のメタバース技術を活用して、労働災害の安全教育をはじめとして、様々な分野で貢献していくとのことだ。