Metaは、同社の透明性ツールを用いる利用者から、デジタル広告が選挙や社会的な議論に与える影響を理解するためには、広告のターゲティングにおいて広告主がどのような選択肢を持つのかについてより多くの情報を得ることが不可欠であるとの声が寄せられたという。
そのため、広告の透明性への継続的な取り組みの一環として、社会問題、選挙または政治に関連する広告の広告ターゲティングに関するより多くの情報を提供する、透明性ツールのアップデートを公開すると発表した。
これらの情報は、広告認証や免責情報のツールが利用可能な全ての国において適用されるとのことだ。
5月末には、Facebook Open Research and Transparency(FORT)を通じて、審査に合格した学術研究者に対して、社会問題、選挙または政治に関連する広告のターゲティングに関する詳細な情報が公開される予定。
これらの情報は、それぞれの広告ごとに提供され、広告主が選択した興味・関心のカテゴリなどの情報が含まれるという。
FORTの研究者プラットフォームは、資格を持った学術研究者による、ソーシャルメディアが社会に与える影響に関する研究のために設立されたもので、その対象には利用者のプライバシーを保護する施策も含まれている。
これは、2020年のアメリカ大統領選挙を目前になされた社会問題、選挙または政治に関連する広告のターゲティングに関する情報を、2021年にテスト的に提供した取組を拡張させるものであり、2020年8月以降の全ての社会問題、選挙または政治に関連する広告のデータを全世界で提供することが可能になるとのことだ。
2022年7月には、公開されている広告ライブラリにも、公開後に配信された社会問題、選挙または政治に関連する広告のターゲティング情報の概要が追加される予定。
今回のアップデートでは、位置情報や人口統計、興味・関心などの各広告ターゲティングを使用して配信された社会問題、選挙または政治に関連する広告の総数と、それらの広告ターゲティングに使用した社会問題、選挙または政治に関連する広告費の割合に関するデータを掲載するとしている。
また、カスタムオーディエンスや類似オーディエンスが使用されたかどうかの情報も含まれるという。
例えば、広告ライブラリでは、あるページが過去30日間に社会問題、選挙または政治関連の広告を2,000回表示し、その広告費の40%が 「ペンシルバニア州に住んでいる利用者」 または 「政治に興味がある利用者」をターゲットにしていたことがわかる。
社会問題、選挙または政治に関連する広告の分析および報告のために、広告主のターゲット基準を公開することで、Metaのテクノロジーを通じて潜在的な有権者にリーチするために使用されている手法についての理解を深めてほしいと考えているとのことだ。
同社は、利用者のプライバシーを保護しながら、有意義な透明性を提供することに尽力しているとし、ツールのアップデートにあたっては、これら2つの重要な目標を達成するために最善な方法について、学界や市民社会における外部の専門家から助言を求めており、今後もツールを進化させながら、取り組みを続けていくとしている。