メッセンジャーRNA(mRNA)治療薬およびワクチンのパイオニアであるバイオテクノロジー企業のモデルナは、COVID-19ワクチン(mRNA-1273)の生後6カ月から2歳未満および2歳から6歳未満の乳幼児に対する緊急使用承認(EUA)を米国食品医薬品局に申請し、同様の申請を各国の規制当局にも提出中であることを発表。
申請データは、mRNA-1273の25μg の2回接種による初回ーシリーズの結果に基づいているという。
モデルナCEOのステファン・バンセル(Stéphane Bancel)は次のように述べている。
「乳幼児用COVID-19ワクチンのEUA申請をしたことを誇りに思います。私たちは、mRNA-1273がSARS-CoV-2から子供たちを守ることができると確信しています。これはCOVID-19との戦い続ける上で必要不可欠なものであり、特に両親や介護者に歓迎されるでしょう。」
2022年3月23日に発表した第2/3相KidCOVE試験の中間結果は肯定的なものであり、mRNA-1273の2回接種による初回シリーズの後、生後6カ月から6歳未満の乳幼児において強力な中和抗体反応が得られ、良好な安全性プロファイルも確認されたという。
事前に規定した生後6か月から23か月および2歳から6歳未満のサブグループの抗体価はCOVE試験の成人との同等性に関する統計的基準を満たし、同試験の主要目的が達成されたとのことだ。
既報の結果には、COVID-19の家庭用検査を含め、主にオミクロン株流行時に収集された症例を対象とした予備的有効性解析が含まれている。
中央検査機関のRT-PCR検査でSARS-CoV-2が陽性と確認された症例のみに限定して解析すると、ワクチンの有効性は6ヵ月から2年未満では51%(95%CI:21~69)、2年から6年未満では37%(95%CI:13~54)と有意に保たれていたという。
これらの有効性の推定値は、成人に対してmRNA-1273を2回接種した後のオミクロンに対するワクチンの有効性の推定値と類似しているとのことだ。
生後6カ月から6歳未満の乳幼児への使用に関するEUA申請は、来週中に完了する予定。モデルナは現在、全ての小児コホートに対する追加接種の容量についても検討しているという。
KidCOVE試験は、米国国立衛生研究所(NIH)傘下の米国国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)および米国保健福祉省(HHS)の事前準備・対応担当次官補局(ASPR)の一部である米国生物医学先端研究開発局(BARDA)と共同で実施されている。