Mizkan、キッコーマン、キユーピー、日清オイリオグループは、物理的再生法(メカニカルリサイクル)でリサイクルしたペットボトル(以下、メカニカルリサイクルペットボトル)が液状調味料および食用油の容器として安全に使用できることを評価する研究を4社合同で実施したことを発表した。

同研究は、地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所の尾崎麻子主幹研究員の監修のもと行われたとのことだ。

今回の取り組みは、プラスチック容器の資源循環という社会課題へ対応すべく、調味料・食用油業界におけるリサイクルペットボトル使用の推進を目的としている。

研究成果により、ほぼすべての液状調味料・食用油の容器にメカニカルリサイクルペットボトルを適用することができ、研究に携わった4社にとどまらず、調味料・食用油業界全体での資源の循環促進に寄与すると考えているとのことだ。

なお、同研究成果をまとめた論文は、2022年4月27日発行の「日本食品化学学会誌29巻1号」に掲載されているという。

■研究概要

同研究は、厚生労働省の「食品用器具及び容器包装における再生プラスチック材料の使用に関する指針(ガイドライン)」に則り、メカニカルリサイクルペットボトルの安全性を評価した結果をまとめたもの。安全性評価は、以下のように進めたとのことだ。

1.フレーク状に破砕したペットボトルを、意図的に化学物質で汚れた状態にし、実際のリサイクル工程を経た再生ペット樹脂を作製
2.この再生ペット樹脂からペットボトルを作製(メカニカルリサイクルペットボトル)
3.メカニカルリサイクルペットボトルに、液状調味料および食用油を模した食品擬似溶媒を充填・保存
(ボトルの仕様、食品擬似溶媒の充填温度や保存期間は、市場に流通している液状調味料、食用油を想定して設定。)
4.賞味期間に相当する期間、保存をした後、食品擬似溶媒中に溶出した化学物質の量を測定

上記評価の結果、メカニカルリサイクルペットボトルから溶出した化学物質の量は、前述の指針(ガイドライン)が示す基準値(推奨溶出限度値10ppb)を下回ることが確認できたとのことだ。