日本能率協会総合研究所(略称:JMAR)が提供するMDB Digital Searchではオートミール市場を調査し市場規模を推計したと発表した。
オートミール市場規模・予測
オートミール市場概況
- 2026年度の国内オートミール市場は120億円となる見込み。
- オートミールとは栄養価の高いオーツ麦を原料とするシリアル食品。
- インフルエンサーの発信をきっかけに、身体づくりやダイエットに適した食品として注目が高まる。
- コロナ禍では調理の簡便性に優れた健康的な食品として利用が拡大。
- 大手メーカーの参入、プロモーションやレシピ提案による利用増加によって今後も市場拡大が見込まれる。
オートミール(oatmeal)とはオーツ麦を脱穀し調理・喫食しやすく加工したシリアル食品。加工方法によって特徴や調理方法が異なり、粒が粗く煮る・炊くなどの加熱調理が必要な「スティールカットオーツ」、麦の食感が残り調理も簡単な「ロールドオーツ」、ロールドオーツをさらに細かく砕いた「クイックオーツ」、すぐに食べられるよう調理加工・味付けされた「インスタントオーツ」などの種類がある。
オートミールの原料であるオーツ麦には、血糖値上昇抑制に効果があるといわれる不溶性食物繊維と、整腸効果がある水溶性食物繊維がバランスよく含まれているとのことだ。
また、鉄分やビタミンB1、タンパク質などが豊富で栄養価に富み、米に比べてカロリー、糖質量が低いという特徴がある。2020年初頭からSNSやYouTubeなどを通じて、トレーニングやダイエット・美容系のインフルエンサーからオートミールに関する情報が発信され、栄養価の高い食品、身体づくりやダイエットに適した食品として注目が高まっている。
オートミールの利用拡大においては、米の代わりにオートミールを用いて雑炊やリゾット、おにぎりなどを作る、オートミールの「米化」がトレンドとなっている。
米をオートミールに置き換えることで、通常の食事と同じようなメニューで栄養バランスの向上、糖質制限を図ることができると話題になっているとのことだ。
メーカーも米の食感に近いロールドオーツや粒の粗いスティールカットオーツの商品を投入し利用拡大を促進しているという。
新型コロナウイルス感染症流行の影響から、家庭での食事機会が増加したこと、健康意識が高まったこともオートミールの市場拡大の要因となっている。
オートミールは熱湯や牛乳をかけるだけですぐに食べられるという簡便性に加え、保存性にも優れている。コロナ禍において、外出機会を減らすための買いだめ需要にマッチし、朝食や軽食で手軽に食べられる健康的な食品として利用する人が増加したとのことだ。
2021年は大手シリアルメーカーが市場参入し、市場を活性化、拡大させた。
オートミールは健康的な食材として、また主食メニューの一つとして潜在的な市場は大きいとみられており、メーカーによるプロモーションやレシピ提案によって、オートミールを食べたことのない層のトライアルや利用定着が進むことで、今後市場はさらなる拡大が見込まれるとのことだ。