クボタは、日本電気(以下、NEC)、南西糖業、南西サービス、鹿児島県大島支庁徳之島事務所農業普及課(以下、農業普及課)と共同で鹿児島県徳之島にてサトウキビ栽培におけるスマート農業の実証実験を開始したことを発表した。

【左】収穫の様子【右】設置センサー

鹿児島県徳之島の農地面積は奄美群島中最大の約4,000haにおよび、島の面積の約28%を占めているという。その徳之島の基幹作物であるサトウキビは、収穫後の時間経過に伴って品質が低下していくため、収穫後速やかに製糖作業を行う必要があり、製糖工場では稼働計画に収穫作業状況を反映させたいというニーズがあるとのことだ。

同実証実験では、約3,000haのサトウキビ農地を管理する南西サービスと協業し、サトウキビ収穫機の稼働情報をクボタの営農支援システム「KSAS」に送信し、機械の位置情報や稼働時間のデータが収穫作業の進捗状況の把握に役立つかを検証。

また、サトウキビの単収向上のためには、生育初期の状況を迅速かつ的確に把握し、補植などの追加作業を行う必要があるという。

現状では目視で生育状況の確認を行っているため多大な労力と時間が必要となるが、同実証実験ではNECの農業ICTプラットフォーム「CropScope」を活用し、衛星・ドローンで撮影した画像のAI解析などによる初期生育状況の把握や収量予測も行うとしている。

実証実験を通じて、サトウキビ生産者や製糖事業者の課題解決に必要なデータを収集・蓄積し、収量・品質の安定化や製糖工場の最適な運営に貢献する、データを活用した次世代のサトウキビ栽培の確立を目指すとのことだ。

■実証実験の概要

開始時期:2022年2月から2年間
内容:
●クボタの営農支援システム「KSAS」を活用した収穫作業の進捗把握
●NECの農業ICTプラットフォーム「CropScope」を活用した初期生育状況の把握、収量予測
場所:鹿児島県大島郡徳之島町
対象面積:40ha