キリンビバレッジは、社会課題であるプラスチック使用量削減のために、自動販売機の正面に並んでいる商品サンプルを、プラスチック使用量が少ない「カード仕様の商品サンプル」に3月より順次切り替えると発表した。
従来の「立体成型の商品サンプル」は、差し込み部分を含む全てにプラスチック素材であるポリカーボネートを使用しているため、商品改廃時は丸ごと交換している。
今回採用する「カード仕様の商品サンプル」は、カード部分のみの交換となるため、従来の商品サンプルで使用していた年間プラスチック使用量を約60%削減することができるとのことだ。
また、カードの素材をPETに切り替えることで、将来的にはPETケミカルリサイクルによって再利用していくことも想定しているという。

同社は今後も「カード仕様の商品サンプル」への切り替えを推進し、キリンビバレッジグループの販売会社などへ供給する自動販売機用の商品サンプルの生産については、2022年末をめどに移行完了予定。
「カード仕様の商品サンプル」のメリット
環境
①商品サンプルのプラスチック使用量を年間で約60%削減できる。
②商品サンプルの梱包サイズを縮小することで、梱包資材に使われている紙資源を削減できる。
オペレーション
①コンパクトでかさばらないため、作業時の持ち運びが楽に。
②取り付け・取り外しが容易なため、商品サンプルの交換作業時間の短縮につながる。
キリングループは、「食から医にわたる領域」で価値を創造し、世界のCSV先進企業となることを目指して、「健康」、「コミュニティ」、「環境」を軸にCSVの実践に注力している。
2019年2月には「環境」への取り組みの一つとして「キリングループ プラスチックポリシー」を策定。
「キリングループ プラスチックポリシー」では、プラスチックの持続可能な使用および資源の循環を推進するため、「日本国内におけるリサイクル樹脂の割合を2027年までに50%に高める」ことを目指しているとのことだ。
その目標達成に向けた具体策として、2019年6月より同社商品で初めて、「キリン 生茶デカフェ」に再生PET樹脂を100%使用した「R100ペットボトル」を採用。
その後も「生茶」ブランドの商品を中心に「R100ペットボトル」を採用しており、今後は自動販売機専用の「キリン 生茶」(555ml)でも「R100ペットボトル」を年内に順次導入拡大して環境に配慮した取り組みを推進していくという。
キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献するとしている。