花王とWOTA(ウォータ)は、「水」と「衛生」に関する社会的課題の解決に向けて業務提携に関する基本合意書を締結し、花王からWOTAへの出資を実施したことを発表した。
今後は、両社の保有する「水」と「衛生」に関する技術や知見、ノウハウを活用した共創を進め、持続可能な小規模分散型水循環社会の実現を目指していくとのことだ。
現在、新興国では衛生対策に必要な「水へのアクセス」が社会課題となっており、日常生活においてもアジアの一部新興国は川の水を生活用水として利用しているという。
また2050年には、安全な水資源にアクセスできない人が50億人にもおよぶ可能性があるとも言われているとのことだ。
一方、先進国においても災害時などに「水へのアクセス」が困難な状況が発生していたり、使用後の水の循環再利用は実現していないのが現状だとし、花王とWOTAは「水」と「衛生」の領域において、グローバルな社会的課題の解決に向けた業務提携を進めていくとしている。
水不足が深刻な地域の衛生対策や感染症予防、国内外における災害時など水場のない場面への支援、さらには、生活排水の循環再生および分散型モデルの取り組みを推進し、将来的には、持続可能な小規模分散型水循環社会の実現に向け、両社の強みを活かした取り組みを推進していくとのことだ。
<主な取り組み内容>
●水のない場所でも手が洗える「水循環システム」の普及・推進
今後、アジアの水資源枯渇地域や国内災害時などにおける水場のない場所に、水循環型手洗いスタンド「WOSH(ウォッシュ)」を設置するとともに花王の衛生ノウハウの知見も活用し、小規模分散型水循環社会の実現に向けた実証実験をスタート予定。
●「水循環システム」の社会実装の加速
花王は、長年培ってきた界面科学を中心とした本質研究に基づく洗浄・衛生分野の技術を活用し、WOTAの水処理自律制御プラットフォームを用いた機器のランニングコスト低減に寄与する専用ハンドソープの開発など、技術開発を進めることで自律分散型水循環システムの社会実装を加速。