リクルートが運営するニュースサイト「SUUMOジャーナル(スーモジャーナル)」は、東京23区内に位置する駅の徒歩15分圏内にある中古マンションの価格相場を調査し、シングル向け物件(専有面積20平米以上~50平米未満)とカップル&ファミリー向け物件(専有面積50平米以上~80平米未満)、それぞれのTOP10を発表した。
■シングル向け上位には、再開発進行で今後の発展が期待大の駅がランクイン
まずはシングル向け中古マンション(専有面積20平米以上~50平米未満)のランキングを発表。
1位は東京東部、葛飾区に位置する京成本線・お花茶屋駅で価格相場は1999万円であった。駅北側には真っすぐ延びる商店街があり、スーパー、100円ショップやドラッグストアなどがあるほか、周囲にはラーメン店など普段使いできる飲食店も点在。持ち帰り弁当店もあるため、料理をしたくない日にも便利だという。
また駅の南側にもスーパーやドラッグストアがあるため、駅のどちら側に住んでも買い物には困らない環境となっている。
京成本線で日暮里駅まで行き、JR山手線に乗り換えると東京駅まで計約30分となかなかの好立地で、日暮里駅~東京駅間に位置する上野駅や秋葉原駅、神田駅を通勤で利用する人にとっても、お花茶屋駅は住まいの候補地になりそうだと同社は述べている。
続いて2位は表参道駅や赤坂駅、大手町駅などへ1本で行ける東京メトロ千代田線・北綾瀬駅で、価格相場は2339万5000円となった。
2019年からリニューアルが進められてきた駅には、2021年に複合商業施設が誕生し、高架下を利用したスペースにスーパーやコンビニ、100円ショップ、そしてファストフード店や持ち帰り弁当店といった食関係のお店など、日々の暮らしに役立つ商業施設が並んでいるという。
ほかにも北綾瀬駅前では再開発が計画されていることから、今後は街の人気上昇と共に物件の価格相場も上がる可能性もあるとのことだ。
また、3位はJR総武線快速・新小岩駅で、価格相場は2365万円。JR総武線快速に乗ると、東京駅までは4駅・約15分で行くことが可能。
そんな新小岩駅では工事が進められており、2023年冬には南口に駅ビルが完成予定で、1~2階は商業施設、3~5階はスポーツ施設、6階には葛飾区の行政サービス施設が入る計画になっているという。
加えて南口駅前では商業施設や住宅からなる大型複合施設を建築する計画も進行中。竣工は2028年度の予定とのことで少々先ではあるものの、2位の北綾瀬駅同様に街の人気・価値上昇も期待できるかもしれないとしている。
1位~3位を含むトップ10の駅の立地は、4位の京急本線・平和島駅を除く9駅はいずれも東京駅より北側にあり、東京23区でも北東部に位置。シングル向け物件をなるべく安く探したい場合、まずは大きな目安として「東京23区北東部」を意識すると良さそうとのことだ。
■カップル・ファミリー向けなら日暮里・舎人ライナー沿線に注目
続いてカップル・ファミリー向け(専有面積50平米以上~80平米未満)のランキングを紹介。
1位は東京の地下鉄では最北端の駅でもある、都営三田線・西高島平駅で価格相場は2569万5000円。板橋区の最北部に位置し、10分ほど歩けば埼玉県和光市へ。
西高島平駅から都心部へのアクセスは、池袋駅まで乗り換え1回・30分少々、新宿駅まで乗り換え1回・約40分、大手町駅なら都営三田線1本で約40分。この程度の所要時間であれば通勤圏内と考えられ、また2位と比べても200万円も価格相場が低い点は大きな魅力だとしている。
2位は東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)・竹ノ塚駅で価格相場は2785万円。ここ数年間にわたり駅改良工事が進められており、2022年3月にはついに上下線の急行・普通列車ともに高架に切り替えられ、新駅舎の供用が始まる予定だという。
この高架化により駅付近の踏切がなくなり、悩みの種だった渋滞が解消されて暮らしやすさがアップしそうとのこのことだ。
そんな駅周辺は東口側にも西口側にもスーパーがあるほか、銀行や郵便局、ディスカウントストアに飲食店とさまざまな施設が揃い、児童公園や保育園、幼稚園、小中学校も点在し子育て世代も多く住んでいる様子。
竹ノ塚駅を通る東武伊勢崎線は東京メトロ日比谷線と直通運転の便もあるため、上野駅や銀座駅、六本木駅、中目黒駅に乗り換えせずに行くことが可能としている。
3位は日暮里・舎人(にっぽり・とねり)ライナーの見沼代親水公園駅で価格相場は2989万5000円。駅名になった公園は、かつて農業用水に使われていた水路沿いに約1.7kmにわたって整備されたもので、春は約70本の桜がほころぶ憩いの場となっている。
足立区に位置するこの駅は東京23区最北端の駅で、少し北へ歩くと埼玉県草加市に入り、駅から西へ7分ほど歩くと埼玉県川口市というロケーション。
駅周辺には住宅地が広がり、多くの住民の暮らしを支えるスーパーやホームセンターが点在。こうした商業施設は当然ながら居住地に関係なく利用できるが、子どもが通う公立学校や受けられる住民サービスなどはどの自治体の住民かによって変わってくるという。
見沼代親水公園駅は前述のように東京都足立区、埼玉県の草加市・川口市の境界近くにあるため、駅周辺で住まい探しをする際は物件がある自治体の特徴も考慮して選ぶのが良さそうとのことだ。
トップ10を見てみると、3位の見沼代親水公園駅をはじめ日暮里・舎人ライナーの駅が半数を占める結果となった。
沿線の西日暮里駅からは東京メトロ千代田線に、西日暮里駅と日暮里駅からはJRの山手線や京浜東北線に乗り継ぐことができ、見沼代親水公園駅~日暮里駅間は約25分、日暮里駅からJR山手線に乗ると東京駅まで約13分で、日暮里・舎人ライナー沿線のいずれの駅からでも、東京駅まで乗り換えを含めて約45分以内には行くことができる。
ちなみに西日暮里駅経由で向かう池袋駅や新宿駅も、見沼代親水公園駅から40分~50分ほど。トップ10入りを果たした日暮里・舎人ライナーは、都内屈指の物件相場の安さと、都内主要駅にもそこそこアクセスしやすいという特徴を兼ね備えた注目すべき路線と言えそうとのことだ。
調査概要
【調査対象駅】
SUUMOに掲載されている東京23区内の駅(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【調査対象物件】
駅徒歩15分圏内、物件価格相場3億円以下、築年数35年未満、敷地権利は所有権のみ
シングル向け:専有面積20平米以上50平米未満
カップル・ファミリー向け:専有面積50平米以上80平米未満
【データ抽出期間】2021/10~2021/12
【物件相場の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された中古マンション価格から中央値を算出
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載。
<参考>
SUUMOジャーナル『東京23区の中古マンション価格相場が安い駅ランキング2022年版』