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ネスレ日本と、日清紡グループのニッシントーア・岩尾は、“紙“の詰め替え容器である「ネスカフェ エコ&システムパック」を繊維として、また、ネスレ日本直営カフェ「ROASTELIER by NESCAFÉ (ローステリア バイ ネスカフェ) 三宮」でコーヒーを抽出した後に発生する残渣等を染料として活用し、衣服としてアップサイクルする取り組みを開始すると発表した。
アップサイクルの取り組みとして、「ネスカフェ エコ&システムパック」とコーヒー残渣で製作したTシャツとエプロンを、ネスレ日本直営カフェ「ネスカフェ 原宿」のユニフォームとして活用を開始。
なお、古紙から生み出した紙糸を使用した繊維を、コーヒーを染料として染色する試みは業界初となるとのことだ。
■ネスレ日本と日清紡グループが共同で、これまでのリサイクルの枠を超えた新たな取り組みを開始
世界186か国で事業を展開する世界最大の食品飲料企業・ネスレは、2025年までに、包装材料を100%リサイクル可能あるいはリユース可能にすること、バージンプラスチックの使用量を3分の1削減することを、コミットメントとして掲げている。
このコミットメントの達成に向けた一環として、ネスレ日本では主力製品の包装材料を従来のプラスチックから紙に変更し、海洋プラスチックごみの課題に向けた取り組みを推進しているという。
また、日清紡グループは「環境・エネルギーカンパニー」グループとして、地球の未来を見据えた製品・サービスの提供を通じて社会に貢献している。
近年、アパレル業界において、化学繊維に含まれるマイクロプラスチックによる海洋汚染や、天然繊維の栽培過程や染色工程における水資源と化学薬品の使用が指摘されているとのことだ。
こうした環境負荷を軽減するために、ニッシントーア・岩尾では廃棄物を有効活用したリサイクル活動に力を入れているという。
今回、ネスレ日本と日清紡グループは、両社の強みとこれまでの知見を活かして、共同で紙のパッケージやコーヒー残渣を活用し、皆さまに身近なものへと生まれ変わらせる取り組みを開始。
製品の紙パッケージを繊維に変え、それを食品残渣から作った染料で染める試みは前例がなく、両社が試行錯誤を重ねたうえで実現したとのことだ。
人々が同取り組みへの参加を通じて環境配慮の意識を高めてもらうため、ネスレ製品の空きパッケージを回収するボックスを全国9箇所に設置し、集めた空きパッケージは、Tシャツやエプロンにアップサイクルし、「ネスカフェ 原宿」等のネスレ日本の直営店のユニフォームとして使用。
■回収に協力することでアップサイクルしたアイテムがもらえる循環型モデルを構築予定
今後は、全国のスーパーマーケット(コープさっぽろ等)をはじめとする小売店とも連携して、空きパッケージを回収するボックスの設置を進めていくとともに、集めた空きパッケージを衣類等の様々なアイテムにアップサイクルすることで、回収に協力した人に還元する取り組みを予定。
さらに、将来的には、リサイクルした繊維や染料を使用した製品を日清紡グループからアパレルメーカーに供給することも検討しているとのことだ。
■2社の取り組み概要
以下の2つの工程を経て、廃棄されるネスレ製品の紙パッケージとコーヒー残渣が衣服へとアップサイクルされる。
・「紙」が糸になる仕組み
「ネスカフェ エコ&システムパック」から、まず紙糸を作る。紙糸の用途は極めて多彩であり、この紙からできた糸を編立・製織し、生地素材に仕上げることで、衣服をはじめとした様々な繊維製品として生まれ変わるという。
紙糸の製造にあたっては、全国各地に設置した回収ボックスから集める空きパッケージと、ネスレ日本の工場で製造時に規格外として廃棄対象となるパッケージを活用するとのことだ。
・コーヒー残渣が染料になる仕組み
“のこり染め“と呼ばれる、食品や植物を加工した後に出る残渣や枝葉を原料にした染色方法で、従来だと廃棄されてしまうレギュラーコーヒーの残渣等のコーヒー関連の材料を染料として使用。
さらに、染料抽出後のコーヒー残渣は醗酵・熟成させることにより、微生物の力を引き出し、植物性堆肥へと生まれ変わるという。
◆回収ボックス設置先:※2022年2月24日時点
そのほか、同取り組みに賛同した「ネスカフェ アンバサダー」プログラムに参加しているオフィスにも設置予定
◆回収ボックス(イメージ)
◆回収対象製品:
「ネスカフェ エコ&システムパック」各種