川崎重工は、簡単な手続きで快適な空の移動を提供可能にする「ヘリコプターWeb手配サービス」(仮称)の開発を開始したと発表した。

同サービスは、同社の社内公募制度「ビジネスアイデアチャレンジ」のスキームの中で、2022年度中のサービス開始を目指すとしている。

現在、国内でヘリコプター運航会社が運航しているヘリコプターは約400機あるが、電車やジェット機と違い、利用者がすぐにどこでも簡単に利用できるものではないとしている。

その原因の一つは、ヘリコプターを利用する際に、機体やパイロットの予約、関係当局への申請、ヘリポートからの移動手段の確保など、準備に数週間から1か月ほど時間がかかることであるという。

同社は、国産ヘリコプターメーカーとして、これまで長年培ってきたヘリコプター運航会社との関係や運航申請などのノウハウをベースに、ワンストップで利用可能なヘリコプターを活用した移動サービスを構築。

同サービスでは、スマートフォンなどで出発地と目的地を入力するだけで、これまで時間を要していたヘリコプターの手配を、「いつでも」「どこでも」「だれでも」オンラインで簡単にできることを目指すとのことだ。

オンラインによる短時間での利用可能なヘリコプターの手配に加え、搭乗前後の移動といった周辺サービスを含めた提案・手配を提供することで、時刻表や渋滞にとらわれない新しいモビリティサービスを実現。

また、同社は国立公園オフィシャルパートナーの一員として、長時間の移動が困難な人でも国立公園を利用できるよう、同サービスを活用した移動手段の検討も進めているという。

なお、サービス開始時はヘリコプターのみの利用を想定しているが、将来は他のエアモビリティへの展開も視野に入れているとのことだ。

川崎重工は、今後もヘリコプターの製造およびサービスの提供を通じて、利便性の高い快適な空の移動を、安全・安心に利用できる社会の実現を目指していくとしている。