キリンホールディングスのグループ会社である、キリンビールは、キリンビール仙台工場で購入する全電力を2022年4月より再生可能エネルギー100%にすると発表した。
これにより同工場の購入電力由来のGHG排出量はゼロとなる。国内ビール工場では、先行して昨年の8月よりキリンビール名古屋工場が再生可能エネルギー100%となっており、今回これに続く2工場目の導入となる。
将来的には、キリングループの事業で使用する全ての電力を再生可能エネルギーに置き換え、早期のRE100達成を目指すとのことだ。
キリンビール仙台工場は、三菱商事エナジーソリューションズが出資・運営する再生可能エネルギー発電所(太陽光発電所)にて発電された環境価値(トラッキング付非化石証書)付きの電力を、三菱商事エナジーソリューションズの子会社であるMCPD合同会社経由で導入。
これまでキリングループは、三菱商事エナジーソリューションズと連携し、重油からガスへの燃料転換などGHG削減に向けたさまざまな取り組みを進めてきており、同件もこの取り組みの一環として新たに連携する施策。
同社は、「2030年までに2019年比で、グループ全体のScope1とScope2の合計を50%、Scope3を30%削減する。」という高い目標を掲げ、2020年にSBT(Science-based Targets)イニシアチブ(SBTi)の新基準「1.5℃目標」の承認を取得しているという。
徹底した省エネ活動に加えて、燃料転換の実施、ヒートポンプの導入、太陽光発電や風力発電、水力発電由来の電力の活用、および排水処理設備から得られるバイオガスを利用した発電などの再生可能エネルギーの活用、容器軽量化や共同配送を含むバリューチェーンでのGHG削減の取り組みなどを進めている。
海外では、グループ会社のLion Pty Ltd(CEO Stuart Irvine)で、2020年5月にオーストラリア初の大規模なカーボンニュートラル認証を取得。
また、2018年には「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言に、日本の食品会社として初めて賛同を表明し、シナリオ分析など情報開示を積極的に行っている。
同社は、2020年2月に社会と企業のレジリエンス強化へ向けた新たなビジョン「キリングループ環境ビジョン2050」を策定。
気候変動においては、2050年までにバリューチェーン全体のGHG排出量ネットゼロを掲げている。
2020年11月にはRE100に加盟し、2040年までに使用電力の再生可能エネルギー100%化を掲げたとのことだ。同件はこれらの取り組みの一環であり、同社が脱炭素社会構築へ向けてリードしていくよう取り組んでいくという。
今後もキリングループは、豊かな地球の恵みを将来にわたって享受し引き継ぎたいという思いを、バリューチェーンにかかわるすべての人々と共につないでいくために、さまざまな社会課題に対する取り組みを積極的に進めていくとしている。