東日本旅客鉄道(以下、JR東日本)、NTTドコモ(以下、ドコモ)、日本電信電話(以下、NTT)は、鉄道を利用するユーザーに混雑を避ける行動を効果的に促す技術(行動変容促進技術)の有効性を検証するための共同実験を、2022年1月24日から開始すると発表した。

この共同実験では、モニターとして募った利用客を対象に、行動変容を促すメッセージをスマートフォンに配信することによって、列車や駅の混雑を避ける行動を促すとともに、実際に行動変容につながったか検証。

JR東日本、ドコモ、NTTの3社は、この共同実験で得られる成果を活用して行動変容促進技術のさらなる高度化を図るとともに、多様な個々人のニーズと社会全体の課題(混雑解消、安心・安全、経済成長、脱炭素等)にバランスよく対応する移動環境の実現に資する技術開発を進め、より大規模な実証実験の実施や商用サービス化をめざすとのことだ。

共同実験の概要

同共同実験では、モニターとして募ったJR山手線を利用する利用客を対象に、それぞれの心理的特性に応じた効果的な働き掛け(ナッジ)により、人々の行動変容を促進。

具体的には、人々の行動変容を促す行動変容促進技術を活用したスマートフォンへのメッセージ配信によって、列車や駅の混雑時間を避ける行動や、徒歩や自転車(バイクシェア)などの代替移動手段を利用する行動を促すという。

さらに、このような利用客への働き掛けと実際の行動変容の関連性を分析することで、鉄道の混雑解消における行動変容促進技術の有効性を検証するとのことだ。

実験場所                 JR山手線沿線
実験参加者             日常的に山手線を利用する利用客1,000人程度 ※募集済み
実験実施時期        2022年1月24日〜2022年3月31日(予定)

実験内容
①山手線の混雑統計データに基づき、山手線の時間帯ごとの混雑傾向を把握
②実験参加者のプロファイル情報(「損失回避する傾向が強い」などの心理的特性)を分析し、混雑時間帯を避ける行動や代替移動手段の利用を促すための効果的なメッセージ(ナッジ)を複数パターン作成
③ドコモが提供する「dポイントクラブ」アプリで実験参加者へメッセージを配信
④実験参加者が「dポイントクラブ」アプリ上でメッセージ内容を確認し、メッセージに応じた行動変容の有無を回答
⑤実験参加者ごとの心理的な特性に合わせてメッセージを変えて配信することによる行動変容促進効果を分析

共同実験のイメージ