ヤフー(以下、Yahoo! JAPAN)は本日、日本最大級のインターネットニュース配信サービス「Yahoo!ニュース」が提供する「Yahoo!ニュース コメント」(以下、コメント欄)にて2021年10月19日から導入したコメント欄非表示機能の導入後の状況を公表した。

導入開始から12月18日までの2か月間において、コメント欄が非表示となった記事数は合計216件で、1日あたり平均3.5件。1日あたりの配信記事数に対して0.05%程度であるという。

「Yahoo!ニュース」は、ユーザーがニュースに関する多様な意見を共有しあい、新たな視点を得るきっかけを創出することを目的として、コメント欄を2007年から提供している。

「Yahoo!ニュース」では、以前より誹謗中傷などの内容を含む投稿を禁止し、コメントポリシーに違反投稿の具体例をわかりやすく明示しているとのことだ。

24時間体制の専門チームによる人的なパトロールに加えて、自社で開発した「深層学習を用いた自然言語処理モデル(AI)」などのテクノロジーを駆使しながら、誹謗中傷をはじめとする違反投稿を1か月で約35万件削除するなどさまざまな対策を行っていくとしている。

こうした対策を講じている一方で、一部のコメント欄においては、「Yahoo!ニュース」が目指している上述の目的を実現できていないという課題があったという。

そこで「Yahoo!ニュース」では2021年10月19日より、一定以上の投稿数のある記事のコメント欄を対象に、AIが判定した違反コメント数などの基準に従い、コメント欄を自動的に非表示とする機能を導入。

「Yahoo!ニュース」では、ユーザーが安心してサービスを利用できるように、コメント欄非表示機能において客観的かつ恣意性のない措置基準を設けるとともに、同機能による措置が適切に実行されているかについて有識者など外部の意見を伺って検証し、透明性をもって社会に示していくことが重要であると考えているという。

そこで、同機能の導入を開始した2021年10月19日から12月18日までの2か月間で非表示となったコメント欄について透明化するために、同プレスリリースで状況を公表したとのことだ。

また、有識者会議を実施し、コメント欄の非表示措置の基準や導入後の状況について意見をもらい検証を行っているという。

同機能導入後の状況および有識者の意見は、以下の通り。

■コメント欄が非表示となった記事の件数や割合

2か月間でコメント欄が非表示となった記事数は合計216件で、1日あたり平均3.5件。集計期間中に媒体各社から「Yahoo!ニュース」へ配信された記事数は、1日あたり平均7,511件で、コメント欄が非表示になった記事の割合は全体の約0.05%であるとのことだ。

■コメント欄が非表示となった記事の媒体種別

2か月間でコメント欄が非表示となった記事を媒体種別に検証したところ、件数が多い順に一般紙・通信社が47件、週刊誌が42件、テレビが41件、ネットメディアが37件、スポーツ紙・夕刊紙が31件、海外メディアが18件という結果に。

なお、同機能の導入にあたり恣意性を排除するため、AIが判定した違反コメント数など客観的な指標を用いた基準に従い、コメント欄を自動的に非表示としているという。

当該基準を用いて非表示となったコメント欄を検証した結果、媒体の種類や記事の内容などを問わず、さまざまな記事のコメント欄が措置の対象となっていることが判明したとしている。

■有識者からの意見

同件の検証にあたっては、誹謗中傷対策などの方針を策定するためYahoo! JAPANが2020年に実施した「プラットフォームサービスの運営の在り方検討会」の有識者へ意見を伺った。同検討会では、「Yahoo!ニュース」より有識者へ、コメント欄非表示機能の措置基準や導入後の状況、社会における反響などについて説明したとしている。

そのうえで有識者からは、コメント欄の非表示措置は、コメント欄に誹謗中傷などの投稿が集中しているような状況において、一定の有効な手段であるという意見をもらうとともに、恣意的な運用とならないように非表示とする際の基準を明確にし、かつ、なぜこうした基準を採用するのかという理由を対外的に説明し尽していくことを前提に、同機能による施策を継続していく点についても支持されたという。

また、コメント欄の非表示措置は、建設的な意見も事実上削除してしまうことから慎重さが求められるため、違反者や違反投稿への対策をこれまで以上にきちんと両輪で進めるべきであるといった、コメント欄の非表示措置に限られない今後の対策についても適切に推進することを要望する意見が寄せられたとのことだ。

「Yahoo!ニュース」では今後、有識者からいただいた意見を踏まえて、コメント欄非表示機能についての透明化確保に取り組み、多くのユーザーが安心してサービスを利用できるように継続的な改善を行っていくという。

そして、コメント欄で投稿される多様な考えや意見によって、ユーザーがニュースに対する興味や多角的な視点を持つきっかけを提供するとともに、日本のインターネットにおける健全な言論空間を構築し、より良い社会の実現に向けて全力を尽くしていくとしている。