ANAとPeachは共同で2022年度のANAグループ航空輸送事業計画を策定したと発表。

●ANAグループは、コロナ禍による移動に対する社会的ニーズの変化を見据えて、「アフターコロナを見据えたグループ航空事業モデルの追求」を掲げて事業構造改革を推進している。
2021年度は、ビジネス需要に強いANAとレジャー需要に強いPeachの特性を活かした運航便の最適配分や、Peach運航便でのANAコードシェアを実施。
今般、ANAとPeachが初めて共同で事業計画を策定することで、各路線や運航時間帯などの需要特性と、ANA・Peachそれぞれのブランド特性とのベストミックスを追求した便設定を推進し、グループ全体の収益最大化を目指すとのことだ。

●国内線は、新型コロナウイルス影響からの需要回復を前提に、ANA・Peach合計でコロナ前と同水準となる2020年度期初計画並の座席キロ供給を計画。
ANAは、機材の大型化や国際線機材の活用、臨時便の設定などを通じ、機動的に需要獲得を図るという。Peachは、早期回復を見込むレジャー需要の獲得を目指し、回復ペースを見極めながら既存路線の増便を図る。
また、ANAとPeachで双方の強みを活かしてグループネットワークを強化するとのことだ。

●国際線は、各国の出入国規制や需要動向を都度見極めながら路線を展開するという。
ANAは、アジア=北米間の接続需要や旺盛な貨物需要を最大限獲得するために羽田発着路線を一時的に成田へシフトさせるなど、旅客・貨物合計で便あたりの収入最大化を図るとし、また、期初の設定にこだわることなく、月次ごとに需要動向に応じて増減便するなど柔軟な供給調整を行っていくとしている。
Peachは、訪日外国人を中心とした需要の段階的な回復を見込み、運休路線の運航再開を計画している。

●貨物事業は、ANAが運用する11機の貨物専用機を最大限に活用し、定期便に加えてチャーター便や臨時便も積極的に展開し、旺盛な需要を取り込む。
また、旅客機を利用した貨物専用便についても機動的に設定し、全体収益の拡大に貢献していくとのことだ。

●新型コロナウイルスの影響による需要変動を都度的確に見極め、柔軟かつ機動的に対応するため、運休・減便が発生した場合については、引き続き月次ごとに発表するとしている。
また、想定以上の需要回復が見込まれる場合は、機材の大型化や増便で対応していくとのことだ。

路線便数等の詳細は以下のとおり。

【ANAブランド航空輸送事業計画】

■国内線
需要動向や競争環境等を踏まえ、以下の路線について増便・期間運航・減便を計画。利用客利便性の向上や需給適合の観点などから、引き続き期間運航や期間増便・減便の活用を進めていくとのことだ。

Peachのネットワーク拡充により新規需要開拓を進める中部空港においては、ビジネスを中心とした需要獲得に向け一部路線ではANAで増便を計画することで、グループネットワークの最適化を図っていくとしている。

新型コロナウイルス影響への対応については、引き続き月次調整にて発表となる。

(1)増便

(2)期間運航

(3)減便

■国際線
利用客に早めに案内をする観点などから、需要動向や競争環境等を踏まえ、以下の路線について運休・減便を計画。
羽田=ワシントン線、羽田=ヒューストン線に加え、羽田=シアトル線、羽田=バンクーバー線も成田発着への変更によりアジア=北米の接続需要獲得を目指すなど、旅客・貨物で便あたりの収入最大化を図る。

その他運航路線の便数計画については、引き続き月次調整にて発表するとしている。

【対象期間】2022年3月27日~2022年10月29日

■貨物専用機
需要動向や競争環境等を踏まえ、貨物専用機については以下の通り運航を計画。
旺盛な貨物需要は当面継続すると想定し、来年度も現行ネットワーク展開を継続しつつ、チャーター便や臨時便投入、旅客機を活用した貨物便を積極的に設定することで、さらなる増収を図っていく。

旅客機を活用した貨物便も含めた詳細の計画については、引き続き月次調整にて発表。

【対象期間】2022年3月27日~2022年10月29日

【Peach航空輸送事業計画】

■国内線
新型コロナウイルス影響からの需要回復を見込み、増やした機材、路線を最大限活用し、航空機の稼働の最大化を目的にダイヤ設計を改革するとともに増便や便の設定時間を拡大。
さらに、シーズンや曜日ごとの便数設定を行うとのことだ。

(1)増便

(2)減便

■国際線
海外渡航の段階的な環境改善を見込み、2022年度内の羽田と台北・上海、成田と台北、関西と台北・上海・香港を結ぶ路線の再開を目指すとしている。