サントリーグループは、世界が抱えるさまざまな課題にこれまで以上に真摯に向きあい、持続可能な社会の実現に向けて挑戦を続けるべく、「サントリー環境目標2030」を改定し、水に関する取り組みを加速すると発表した。

同グループは、水や農作物など自然の恵みに支えられた食品酒類総合企業として、「水と生きる」をステークホルダーとの約束、「人と自然と響きあう」を使命に掲げ、創業以来、持続可能な社会の実現を目指してきたという。

なかでも水に関しては、グループ全体で共有する「水理念」のもと、自然環境の保全・再生活動など、さまざまな取り組みをグローバルに推進しているとのことだ。

水のサステナビリティをグローバルに推進する国際標準の権威ある機関「Alliance for Water Stewardship(以下、AWS)」の認定を日本で唯一取得しており、昨年にはAWSのメンバーシップ企業となり、日本における水管理の啓発やネットワーク構築を推進するリーダーシップを担う企業として取り組みを進めているという。

さらに、国際組織「Science Based Target Network」による水の科学的な目標設定の手法策定に、世界3社のパイロット企業として日本から唯一選定され参画し、今後グローバルに採用される手法を同グループの目標策定にも導入したとのことだ。

今回、「工場節水」「水源涵養」「原料生産」に関する目標を改定。目標達成に向け、工場では、革新的な省水プロセス、循環利用、カスケード(多段階)利用プロセスなどの導入を通じて節水を進めるとしている。

また、水ストレスの高い流域の水課題に応じて水総使用量削減の必要性を検証するとともに、日本の「天然水の森」で得た知見を活かし、科学的アプローチによる水源涵養活動を展開していくとのことだ。

さらに、サプライヤーとの協働体制を構築し、原料生産における水使用効率の向上に努めていくという。

グローバルな社会課題の解決に向け、グループ一丸となってサステナビリティ経営に取り組んでいくとしている。

●「サントリー環境目標2030」
「環境ビジョン2050」達成に向けて、以下環境目標2030を掲げるという。

1.水
・【工場節水】自社工場の水使用量の原単位をグローバルで35%削減。特に水ストレスの高い地域においては、水課題の実態を評価し、水総使用量の削減の必要性を検証。
・【水源涵養】自社工場の半数以上で、水源涵養活動により使用する水の100%以上をそれぞれの水源に還元。特に水ストレスの高い地域においてはすべての工場で上記の取り組みを実施。
・【原料生産】水ストレスの高い地域における水消費量の多い重要原料を特定し、その生産における水使用効率の改善をサプライヤーと協働で推進。
・【水の啓発】水に関する啓発プログラムに加えて、安全な水の提供にも取り組み、合わせて100万人以上に展開。

2.温室効果ガス(GHG)
・自社拠点でのGHG排出量を50%削減。
・バリューチェーン全体におけるGHG排出量を30%削減。