山口県では、若者の消費者被害防止に向け、「消費者トラブル防止(STB)プロジェクト」と題し、若者自身が啓発の一端を担う啓発活動を実施している。
1月14日には4コマ漫画コンテストの入賞作品を発表し、山口県庁で表彰式を行う。また最優秀作品等をもとに啓発動画を作成、山口高校演劇部の部員が漫画のアフレコをいれ、2022年春にYouTubeなどで公開予定であるとのことだ。
民法の改正により、今年4月1日より成年年齢が20歳から18歳に引き下げられる。それに伴い、新しく成人となる18歳、19歳は、親の同意なしに自分の意思でさまざまな契約ができるようになる。
一方で、親の同意なしに契約した場合に適用される「未成年者取消権」が行使できなくなるという。こうしたことから、社会的経験が不十分な18歳、19歳の若者の消費者被害の増加が懸念されているとのことだ。
山口県では、当事者となる若者の協力を得ながら啓発活動を進めていくことで、新成人となる方を含めた若者の安全・安心な暮らしをバックアップする施策や啓発活動について、より自分と関係がある話題として気づくきっかけにしてほしいと考えているとのことだ。
消費者トラブル防止(STB)プロジェクト」の主な取組
1. 消費者トラブル防止コンテンツ製作コンテスト
若者が消費者トラブルについて知り、考えるきっかけとなるよう県内の若者を対象に昨年度より開催している。今年度は、消費者トラブルの事例や対処法などを伝える4コマ漫画作品を募集し、全284作品の応募があったとのことだ。
1月14日に山口県庁において表彰式を行う。なお、コンテスト受賞作品は、今後県の啓発活動等に積極的に活用していくこととしているという。
【令和3年コンテスト最優秀作品】
コンテスト受賞作品(30作品)を県HPで公開中
https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/a12100/syo-center/202112230001.html
防ごう!消費者トラブルSTB(消費者トラブル防止)プロジェクト概要
STBプロジェクトは当事者である若者に啓発そのものに参加してもらうことで更に関心を高めていくことを目的として作られたという。
【実施スケジュール】
・『消費者トラブル防止4コマ漫画コンテスト』表彰式
日時:1月14日 13時~
場所:山口県庁
・『消費者トラブル防止4コマ漫画コンテスト』アニメーション動画制作 アフレコ実施
日時:1月23日 13時~
場所:中市コミュニティーホールNac 2階会議室A
2. 学生消費者リーダーと連携した啓発活動
学生消費者リーダーは、若年消費者と県の懸け橋となる存在として、平成30年度から県が認定している。普段の学生生活において、それぞれが、友人や家族等身近な者に対して、消費者トラブルについて学んだ知識や県から配信された消費生活情報を、直接あるいはSNS等を活用して周知しているとのことだ。
また、学生消費者リーダーの意見を取り入れ、啓発資材を制作し、県内の高校や大学等に配付しているという。
そのほか、県が行う高等学校等における出前講座の講師としての参加やラジオの啓発番組への出演、若者に向けた効果的な啓発を立案・実践するなど、若者目線に立った啓発活動を行っているとのことだ。
【学生消費者リーダーと連携して制作した啓発資材】
【出前講座】
山口県では、消費者が正しい知識と判断力を身につけ、自立した消費者となるよう、出前講座を実施。契約やクーリング・オフなどの基礎知識の解説や若者に多い消費者トラブル事例を紹介しており、これから社会へ出る卒業間近の生徒などに好評とのことだ。
【ラジオ広報】
消費生活に関する情報を発信するラジオ広報を月2回行っている。学生自身が若者へ情報を発信することで、他人事ではなく自分にも起こるかもしれないと当事者意識の向上させる効果があると評価されている。
参考:「知っちょる!?消費者トラブル学べるサイト」
若者が遭いやすい消費者トラブルを、動画や体験型コンテンツなどを通して詳しく知り、トラブル回避の方法を学べる特設サイト。
https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/a12100/syo-center/201909260002.html
なお、同サイトは、公益財団法人 消費者教育支援センターが主催する「消費者教育教材資料表彰2020」で、優秀賞を受賞している。