Netflixは、新基準を採用し、毎週更新する「NetflixのTOP10」ウェブサイトを運用開始すると発表した。

NetflixがTOP10を選出する基準については、これまでさまざまな意見が寄せられてきたという。そこで今夏、NetflixはTOP10の選出基準をゼロから見直し、今回、全世界や国別の人気作品TOP10リストを毎週更新する新しいウェブサイト「NetflixのTOP10」を立ち上げるに至ったとのことだ。

この新しい「NetflixのTOP10」は、毎週火曜日に更新。Netflixオリジナル作品とライセンス作品を対象に、前週の月曜から日曜までの合計視聴時間を基準に選出するという。

ランキングの分類は、英語の映画、英語のTV番組、他言語の映画、他言語のTV番組それぞれの全世界TOP10リストのほか、90か国以上の国別TOP10リストを表示。

同ウェブサイトは、まず英語とスペイン語の2か国語で運用開始されるが、来年は他言語にも対応していく予定であるとのことだ。

この毎週更新の「NetflixのTOP10」ウェブサイト運用開始に先立ち、昨年Netflixは毎日更新の「今日のTOP10リスト」をサービス上に導入したが、そちらも今後は合計視聴時間を基準に選出していくという。

つまり、「NetflixのTOP10」ウェブサイトでも、Netflixのサービス上でも、それぞれのTOP10リストを通じて他のメンバーに人気の高い作品が一目でわかるようになるとのことだ。

Netflixは先月初めて「歴代のTOP10リスト」を発表したが、今後はこの歴代リストも大ヒットの新作を織り交ぜながら更新していくという。ここでランキングの基準となるのは、配信開始から28日間の合計視聴時間。

同社は、独自の手法でTOP10を選出することを踏まえ、第三者の会計事務所EYの協力を得て、新しく導入した基準の評価を受けるという。評価結果の報告書は2022年に発表する予定であるとのことだ。

ストリーミングビジネスにおける成果の評価方法を確立することは難しく、唯一の完璧な基準などというものはありえまないという。興行成績や視聴率 (広告主が従来型であるTV放送の枠内で成果を測る基準) などの古典的手法は、Netflixをはじめ、ほとんどのストリーミング企業にとっては参考にならない。

そこでNetflixは、さまざまな基準を検討した結果、各作品への没入時間の指標となる合計視聴時間を計測することで、作品の人気度だけでなく、サブスクリプションサービスの継続利用率にとって重要な総合的顧客満足度も把握できるという結論に達したという。

合計視聴時間は、外部の企業が人気度を計るために取り入れている基準と同じであるとのことだ。

また、この基準であれば、メンバーが作品を気に入ったという確かな印である再視聴もカウントできるほか、異なる企業間でも共通して採用できるというメリットがあるという。

一方で、この基準は、ロングランシリーズ作品や映画に有利に働くことも事実。多様なコンテンツをたった1つの基準で計測するのは難しい面もあるため、折に触れて、個別に設定する特別なテーマのTOP10リストも発表する予定であるとしている。

たとえば、ドキュメンタリー映画やリアリティ番組など、メンバーの皆様の間で人気を博していても、全体のTOP10リストでは認識されづらいカテゴリーなどがその対象となる。

番組や映画を最後まで視聴した人数も加味してはどうか、という意見もあるかもしれない。しかし、メンバーが10話シリーズの最終話のラストを赤ちゃんの泣き声などによって見逃したとしても、長いエンドロールを最後までくまなく観なかったとしても、もう一度お気に入りのシーンやエピソードだけを観たとしても、そのすべての視聴時間はその作品の人気の指標として加える価値があると言えるとのことだ。

同社は、毎週更新されるこの新しいTOP10リストが、メンバーにとって新たな作品を発見し、新しい話題に加わる良いきっかけになることを期待。

身近な友達が最近チェスにハマっている理由とか、ウォンの新たな価値であるとか、ライオンやトラの飼育に絡んだ事件について、理解を深める糸口になるかもしれないとのことだ。