学校法人青葉学園が運営する東京医療保健大学は、20~60代の男女を対象に「睡眠に関する調査」を実施し、結果を発表した。

近年、日本では多くの人が「睡眠の悩み」を抱えていると言われている。今回の調査では67.5%の人が自身の睡眠に満足していないという結果となった。

また、さらに今年度は新型コロナウイルスの影響で日常生活に多くの変化があり、睡眠の悩みを抱えている人はさらに増加傾向にあるという。

今回の調査では、特に在宅勤務が増えた人の方が睡眠の悩みの増加が顕著という結果となったという。原因としては、「日常生活におけるストレスの増加」や「身体を動かす機会の減少」をあげた人が多く、新型コロナウイルスの影響を感じる結果となった。

このように、多くの人が睡眠の悩みを感じている一方、睡眠の質向上のために対策を行っている人は27.0%という結果に。

対策を行っていない理由として、「何をすれば良いか分からない」が1位となり、また毎日の実践が難しいものとして「寝る前のPCやスマホを見ない」、「昼間に運動をする」、「ゆっくりお風呂に浸かる」などが上位にあがったとのことだ。

以上のことより、睡眠の質向上のために何をしたらいいか分からない、多忙な毎日の中で実践する余裕がないと感じている人が多いと推察される。

【調査結果サマリー】

①自身の睡眠に満足していない人は67.5%
 睡眠の悩み第1位は「睡眠が浅い」
②新型コロナウイルスの影響で睡眠の悩みを抱えている人が増加!
 原因第1位は「日常生活におけるストレスの増加」
③睡眠の質向上のために対策している人は27.0%
 実践していること第1位は「規則正しい生活を心がける」

自身の睡眠に満足していない人は67.5%睡眠の悩み第1位は「睡眠が浅い」

Q1.あなたは自身の睡眠に満足していますか?

自身の睡眠に対する満足度を聞いたところ、「全く満足していない」、「あまり満足していない」合わせて67.5%の人が、「自身の睡眠に満足していない」という結果に(図1)。多くの人が、自身の睡眠に不満と課題を抱えていると分かった。

Q2.具体的に、どのような睡眠の悩みがありますか?

具体的な睡眠の悩みについて聞いたところ、「睡眠が浅い」が35.3%と最も多い結果に。次いで「寝ても疲れが取れない」(28.8%)、「なかなか寝付けない」(27.8%)、「朝すっきり起きられない」(25.5%)が上位にあがり、床に入っても理想的な質の高い睡眠が得られていない状況が見受けられるとのことだ(図2)。

Q3.自身の睡眠の悩みはどのようなことが原因だと思いますか?

睡眠の悩みの原因について質問したところ「ストレス」が40代未満・以上ともに1番多いという結果に。特に「加齢」に関しては、40代未満は3.0%である一方、40代以上は55.9%という結果となり、加齢が睡眠に大きな影響を与えていると推察される(図3)。

新型コロナウイルスの影響で睡眠の悩みを抱えている人が増加!原因第1位は「日常生活におけるストレスの増加」

​Q4.新型コロナウイルスの影響で、睡眠の悩みは増加しましたか?

今年度は新型コロナウイルスの流行によって、在宅勤務の増加や外出自粛など多方面に影響がありました。睡眠に関しても多くの人が変化を感じており、37.8%の人が「睡眠の悩みが増加した」と回答(図4)。

また、在宅勤務が増えた人に絞ると70.2%の人が睡眠の悩みの増加を感じているという結果となった(図5)。在宅勤務などの生活スタイルの変化が睡眠に大きな影響を与えていると推察される。

Q5.新型コロナウイルスの影響で、どのような睡眠の悩みが増えましたか?

新型コロナウイルスの影響で、睡眠の悩みが増えたと回答した人に、具体的にどのような悩みが増えたか聞いたところ、「寝ても疲れがとれない」が47.0%と1位に。次いで「睡眠が浅い」が42.4%、「なかなか寝付けない」が36.4%という結果となった(図6)。

新型コロナウイルスの影響によって増えた睡眠の悩み上位3位は、通常時の睡眠の悩みと同じものがランクインしたという結果に(図2)。

Q6.新型コロナウイルスの影響で、睡眠の悩みが増えたのはどのようなことが原因だと思いますか?

新型コロナウイルスの影響で睡眠の悩みが増えたと回答した人に、原因と思われるものを聞いたところ、「日常生活でストレスを感じることが増えた」が47.7%と1位という結果に。

次いで「日常生活で体を動かすことが減った」が42.4%、「生活リズムが乱れている」が31.1%と多くなった(図7)。

コロナ禍における仕事・プライベート双方への影響によるストレスや、在宅勤務や人の集まりの自粛でおうち時間が増加したことによる運動量の減少、慣れない在宅勤務や出社との併用による生活リズムの乱れなど様々な要因が、睡眠の悩みに繋がっていると推察されるとのことだ。

Q7.冬の時期になると寒さなどが原因で睡眠の質が下がると感じますか?

これから冬が深まり寒くなっていく中、睡眠の質が下がると感じるか聞いたところ、「とても感じる」「やや感じる」合わせて61.5%の人が下がると感じると回答。これからの季節に向けて、より一層、睡眠の悩みを解決したいと考えている人が多いことがわかる。

睡眠の質向上のために対策している人は27.0%実践していること第1位は「規則正しい生活を心がける」

Q8.睡眠の質向上のために、何か対策を行っていますか?

睡眠の質向上のために対策を行っているか聞いたところ、自身の睡眠に対して満足していない人が67.6%である(図1)一方、73.0%の人が対策を行っていないという結果に(図9)。

対策を行っていない人に理由を聞いたところ、「何をすれば良いのか分からない」(33.9%)、次いで「実践するのが面倒」(27.7%)という回答が上位となった(図10)。

睡眠の質向上に対して、何をすれば効果が期待できるのか分からないという人が多く、特に手間なくできる方法が分からないという方が多くいるということが推察されるとのことだ。

Q9.睡眠の質向上のために、継続して実践しているものは何ですか?

睡眠の質向上のために継続して行っているものを聞いたところ、「規則正しい生活を送る」が43.0%、「ゆっくりお風呂に浸かる」が40.5%と上位に。一方、1番少なかったのは「睡眠のためにサプリメントを飲む」の5.3%となった(図11)。

Q10.睡眠の質向上のために行ったことがある対策のうち、毎日実践するのは難しいと感じるものはありますか?

睡眠の質向上のための対策として、毎日実践するのは難しいと感じるものを聞いたところ、「寝る前にPCやスマホを見ない」が29.0%と1位に。気を付けたいと思う一方、デジタルデバイスの利用が日常生活の当たり前になった現代、見ない時間を作るのはなかなか難しいと感じている人が多いと思われる。

次いで、「昼間に運動をする」が26.0%、「ゆっくりお風呂に浸かる」が24.8%となり、多忙な毎日を過ごす中、時間がかかる対策を毎日実践するのは難しいと感じている人が多いと推察されるとのことだ(図12)。

【アンケート概要】
調査名:睡眠に関する調査
調査期間:2020年11月27日~11月29日
調査対象者:20~60代の男女
調査対象地域:全国
その他:性年代別均等割付
有効回答数:400人

<参考>
学校法人 青葉学園 東京医療保健大学調べ

【睡眠の悩みに関する調査】新型コロナウイルスの影響で在宅ワークが増えた人のうち7割以上が「睡眠の悩みが増えた」と回答