パナソニックは、一般財団法人日本繊維製品品質技術センターと共同で、「帯電微粒子水(ナノイー)」技術の新型コロナウイルスの変異株4種(アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株)に対する抑制効果を検証。
多くのウイルスは絶えず変異を繰り返し、中には感染力や毒性に大きく影響を及ぼすような変異株も現れる。そのため、世界的な感染拡大が起こると言われているとのことだ。
現在、猛威を振るっている新型コロナウイルスにおいても変異株は発見されており、世界保健機関(World Health Organization:WHO)は、アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株の4種を、「懸念される変異株」に指定している。
同社は、2020年7月に「帯電微粒子水」技術の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する抑制効果を実証。
また、ウイルスクリアランス試験を実施した結果、生物学的特性で4つに分類したそれぞれで抑制効果が確認できたことから、2012年1月には未知のウイルスに対しても「帯電微粒子水」技術の抑制効果が期待できると発表している。
これらの状況から、新型コロナウイルス変異株に対しても「帯電微粒子水」技術による効果は期待できるが、感染拡大の状況を鑑みて、改めて検証を行ったとのことだ。
今回の検証では、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)、および新型コロナウイルスの懸念される変異株4種(アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株)を対象に、「帯電微粒子水」の曝露有無によるウイルス感染価の比較実験を45 Lの試験空間で実施。
その結果、5種全てのウイルスにおいて、2時間の曝露で99%以上の抑制効果を確認したという(今回の検証は密閉した試験空間の結果であり、実使用空間における効果を検証したものではない)。
パナソニックは、今後も「帯電微粒子水」技術の可能性を追求するとともに、さまざまな効果検証を進め、社会に貢献していくとしている。
■実証データ
・検証機関:一般財団法人日本繊維製品品質技術センター
・検証時期:2021年9月
・検証対象:
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
新型コロナウイルス 変異株4種(アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株)
・検証装置:「帯電微粒子水」発生装置
・検証方法:
45Lの試験空間にて、床面から10 cmの位置に「帯電微粒子水」発生装置を設置。
ウイルス液を滴下したガーゼをシャーレに設置し、2時間「帯電微粒子水」を曝露。
ウイルス感染価を測定し抑制率を算出。
■結論
「帯電微粒子水」技術により、新型コロナウイルスの変異株4種に対して99%以上のウイルス感染価の減少が確認されたという。
「帯電微粒子水」技術は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)と変異株4種において株の違いによらず、同じ減少傾向が認められたとのことだ。