NTTグループは、ニュージーランドに新たに建設中のスポーツ&イノベーション研究施設であるNew Zealand Campus of Innovation and Sport(NZCIS)と、スポーツ分野のデータ活用を促進するスマートソリューションの提供に向け協業することに合意。
今回のプロジェクトを通じて、NTTグループは、様々なデータを活用することで効率的、効果的なトレーニングを実現し、アスリートのパフォーマンス向上に貢献すると共に、デジタル技術を活用して視覚化されたデータをスポーツファンに提供することで、新たな体験価値を生み出すとしている。
SPORT NEW ZEALAND社の報告書よると、ニュージーランドにおけるスポーツとアクティブなレクリエーションの経済的価値はニュージーランドの年間GDPのうちの49億ドルであり、スポーツ施設の発展は、この成長に貢献できるとされているという。
NZCISは、世界的にも、最も先進的なトレーニングが可能なスポーツ施設となることをめざし、効率的、効果的なトレーニングの実現のための研究に取り組んでいるという。
また、施設を訪れるスポーツファンに対しても、新たな体験価値を提供することに取り組んでいるとのことだ。
今回NTTグループが提供するソリューションは、トレーニング機器、ウェアラブルデバイスから得られるトレーニング中の生体データ、パフォーマンスデータと気候データを収集し、アスリートプロファイルを掛け合わせることで、アスリートのエネルギー消費量や走行距離、移動スピード等を算出し、ビジュアル化。
収集したデータはアスリートおよびコーチに提供され、データドリブンなトレーニングメニューの改善に役立てられるという。
また、来場するファンに対しても施設内のディスプレイからアスリートのトレーニングを多様なデータと共に楽しむことができる。
NTTグループは、アスリートおよびファンに対して、データを活用した新しい体験価値を提供することで、NZCISのイノベーションをサポートすると共に、スポーツ施設の利用価値向上に貢献するとのことだ。
将来的には、NZCISとNTTグループは、ビジュアル化された分析データや情報を組み合わせた映像配信を全世界のスポーツファンに提供する等、スポーツデータを活用した新しい体験価値を生み出すことをめざすとしている。
NZCISのスポーツパフォーマンスディレクターであるJamie Tout氏は、以下の通り述べている。
「NZCISでは、常にスポーツの新技術への投資を検討しています。NTTグループのツール・ド・フランスでの取組みは大変刺激的でした。私たちはイノベーションのハブであり、NTTグループが私たちにとって、ビジョンを達成するための素晴らしいパートナーであることがわかりました」。
「NZCISは、ラグビー選手のパフォーマンスを監視し改善するためのタグを既に導入しており、今後はさらに身体的な分析を進めていく予定です。NTTグループのデータ分析、VR技術、その他の新技術を活用することで、私たちは没入感のあるパーソナライズされたインタラクティブな視聴体験をスポーツファンに提供したいと考えています。また、この地域における新たな雇用を創出することをめざしており、NZCISの認知度を高め、国際レベルでのスポーツイベントの開催もめざしています。」
また、NTTの島田明代表取締役副社長 副社長執行役員は、以下の通り述べている。
「NTTグループは、これまで多くのスポーツイベントにおいて、ファンがデジタルを通して繋がることができるような新たな方法の開発により、多くの人々にスポーツの楽しさを届け、観戦体験を向上させることに取り組んでまいりました。我々は、NZCISのデジタルパートナーとして、共に成長し、スポーツ分野におけるデータ活用の可能性の拡大にチャレンジできることを誇りに思います。NTTグループはこれまでのスマートソリューションの提供で培ってきた経験を通じ、お客様の新たなイノベーションの取組みをこれからも支援してまいります。」
NTTグループのスマート化技術は、2018年の米国ラスベガス市の公共安全強化の取り組みに始まり、大学キャンパス内の交通状況分析、スポーツ会場におけるファン体験向上、複合商業施設の人流分析、公共交通機関での乗客の安全確保など、様々な分野で利用されている。
NTTグループは、今後も顧客のための課題解決や事業拡大に向け、革新的な技術を開発、提供していくとしている。