ローソンは、会員データとAIを活用したレシートやローソンアプリへの広告配信事業を2022年3月より開始すると発表した。
同事業では、よりユーザーのニーズに即した商品情報を提供する為、個々の価値観に合わせた広告訴求を行うとのことだ。
ローソンでは、これまで会員データの購買履歴や性年代・価値観から、対象となる商品に興味を持ちそうなユーザーを推測して割引券などを印字した訴求を行ってきたという。
今回の施策では、従来の情報にAIを加えることで対象商品に興味を持つ可能性が高い会員と価値観特徴を抽出し、個々のユーザーの価値観に合わせた広告デザインやキャッチコピーを用いたレシートを発行するという。
■従来のレシート広告との比較
<従来>
対象商品に興味を持ちそうな会員を推測してレシート広告を発行
(例)過去に同様の商品を購入したことがある、対象商品の購入層に多い年代や価値観(30~40代、健康意識が高い)など
<今回>
① 購買データから対象商品を購入した会員を特定(新商品の場合は買いそうな会員を特定)
(例)過去に同一ブランドの新商品を購入した会員など
② 上記①の会員の過去購買データや性別・年代・価値観をAIで分析し購入会員の特徴を抽出するとともに購入確率予測モデル(購入確率を予測する数式)をAIが自動構築
③ 上記②で構築した購入確率予測モデルを使って広告クーポンの対象者を抽出
④ 上記③で抽出した人の価値観特徴に合わせたデザインとキャッチコピーでレシート広告を発行
2021年8月に実施した新商品実験では、会員全体の平均購入率に対して、上記方法で抽出された会員の購入率はレシート広告を出さなかった場合で4倍となり、レシート広告を出した場合では12倍という結果となったとのことだ。
・実験期間:2021年8月17日~8月30日の2週間
・実験方法:
対象商品を購入される可能性が高い会員をAIによって抽出。
抽出された20万人に対してレシート広告を発行。
広告のデザインは3パターンを用意し、価値観特徴に合わせて配信。
当該施策については、インティメート・マージャー、クリエイターズマッチの技術を活用したとのことだ。
<実験で発行したレシートデザインと価値観特徴>