科研製薬は、長引くコロナ禍における口の状態(歯や歯ぐきの健康状態)・歯周病に対する意識の変化について調べるため、11月8日の「いい歯の日」を前に20代から60代までの男女500名を対象にした「歯周病の意識調査」を実施し、結果を公表した。

■コロナ禍における歯・口のケア意識とは?

1.コロナ禍で歯科医院の受診控えをしている人は半数以上

コロナ禍において、歯科医院の受診をためらうかどうかについての質問をしたところ、現在も「ためらう・少しためらう」と回答した人は全体の53%にのぼったという。

さらにコロナ禍以降、口の状態(歯や歯ぐきの健康状態)が悪化したかという質問に対して「そう思う・少しそう思う」と回答した人は、全体の5人に1人(20.8%)となった。

中でも歯科医院の受診を「ためらう・少しためらう」と回答した人は、3人に1人(32.4%)が悪化したと回答しており、コロナ禍の受診控えの影響が伺える結果に。

【左】コロナ禍において、歯科医院の受診をためらうか
【右】コロナ禍以降、口の状態が悪化したか

2.歯周病は気になる病気だと感じる人は8割以上一方で、半数以上が歯科医院を定期的に受診していない?

受診控えの傾向にある中、正しい知識をもって歯や口の状態をケアすることが重要だという。

そこで、歯周病が気になる病気かどうか尋ねてみると、「そう思う・まあそう思う」と回答した人は8割以上(84.2%)にのぼる結果となった。

しかし、歯科医院を定期的に受診しているかを聞いてみると、半年に一回以上受診している人は4割未満(35.6%)と少ない結果で、半数以上(51.8%)が定期的に受診をしていないという実態が明らかになったとしている。。

【左】歯周病が気になる病気かどうか
【右】歯科医院を定期的に受診しているか

■歯周病に対する勘違いとは?

3.歯周病は「歯ぐきと歯を支える骨」の病気?知っている人はわずか1割程度

また、歯周病はどこが侵される病気かという質問をしたところ、1番多かった回答が「歯と歯ぐき(31.8%)」となり、「歯ぐきと歯を支える骨」と正しく回答できた人はわずか1割(13.6%)にとどまったという。

歯周病がどのような病気なのか、正しく理解できている人はかなり少ないことが伺えたとのことだ。

歯周病はどこが侵される病気か

4.歯周病リスクは「40代以上から」と勘違いしている人は4割以上。実は10代後半からリスクが発生

歯周病に罹るリスクに関して、何歳から注意が必要だと思うかという質問に対しては、「40代」という回答が最多(24%)となり、全体の4割以上の人が、40代以上と回答。

しかし、歯周病のリスクは10代後半から発生すると言われており、歯周病ケアは遅くとも20代から必要だと考えられているという。

歯周病に罹るリスクに関して、何歳から注意が必要だと思うか

5.意外なところに潜む歯周病リスク。妊娠・遺伝が歯周病を悪化させる間接的な原因に?

歯周病の直接的な原因は、歯垢(プラーク)と歯垢の中の細菌が出す毒素だが、普段の生活習慣など意外なところに歯周病を悪化させる間接的な因子(リスク因子)が潜んでいるという。

グラフにある「ストレス」「喫煙」「妊娠」「虫歯」「歯並び・かみ合わせ」「加齢」「遺伝」、実はすべてが代表的なリスク因子とのことだ。

同調査の回答では、働き世代が特に気を付けたい「ストレス」に間接的なリスクがあることを知っている人は5割弱(46.4%)で、妊娠と遺伝が間接的な因子であると知っている人は、わずか1割程度にとどまったとしている。

歯周病を悪化させる間接的な因子回答

■歯周病治療の遅れに対しては後悔も

6.30代以上の4人に1人が、歯周病の治療の遅れで後悔も受診タイミングは「歯ぐきが下がりはじめてから」では遅い?

歯周病の悪化や治療の遅れで後悔した経験がある人は、30代以上の4人に1人もの割合でいることが判明したという。

具体的なエピソードとしては、「歯ぐきが下がってから受診した。もっと早くから検診を受けていれば進みを止められたかも。(滋賀県・50代女性)」、「歯茎が痩せてきたのに通院せず、放置していたらさらに悪化した(山形県・30代女性)」や「早くに歯科に行けば歯を失わなくて済んだ(東京都・30代女性)」など。

実際の自覚症状として「歯ぐきが下がりはじめてから」初めて歯科医院を受診するという人が多く、30代の若い層でも歯周病の予兆を見逃し、後悔している人が多い実態が浮き彫りとなったとのことだ。

歯周病の悪化や治療の遅れで後悔した経験があるか

【調査概要】
■調査名称:歯周病の意識調査
■実施時期:2021年9月24日~9月27日
■調査手法:インターネット調査
■調査対象:本人、または同居の家族が医療・製薬業種、または専門家ではない全国20〜60代の男女500人

<参考>
科研製薬『歯周病の意識調査