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Hondaは、「中国電動化戦略発表会」をオンラインで開催し、中国における環境と安全の新たな取り組みを発表するとともに、電気自動車(EV)の市販予定モデル2車種とコンセプトモデル3車種を世界初公開した。
以下は、発表会での発信概要となる。
・2030年以降、中国で新たに投入する四輪車はすべてハイブリッド車やEVなどの電動車とする
・中国初のHondaブランドEVとなる「e:N」(イーエヌ)シリーズを、5年間で10車種発売中国からの輸出も視野に展開予定
・第1弾「e:NS1」「e:NP1」をそれぞれ、東風Hondaと広汽Hondaから2022年春に発売
・3つのコンセプトモデルは5年以内の発売を目指して開発中
・既存店舗を活用したe:Nシリーズコーナーの設置や、主要都市での将来的なe:N専売店の展開など、本格的なEV事業展開に向けた販売網を拡充
・広汽Hondaと東風Hondaそれぞれ新たなEV工場を建設。2024年の稼働開始を目指す
・全方位安全運転支援システム「Honda SENSING 360」を2022年に中国から適用開始。順次グローバル展開し、2030年までに中国を含む先進国で発売する四輪車全モデルへの適用を目指す
環境・安全の目標
Hondaは、「人や社会の役に立ちたい」という想いを原点に、多彩なモビリティを通じて「生活の可能性が拡がる喜び」の提供に取り組んでいる。
持続可能な社会の実現に向け、環境と安全に徹底してこだわり、今年4月には、2050年の「カーボンニュートラル」および「交通事故死者ゼロ」の実現という目標を掲げたという。グローバル各地域で目標実現に向けた取り組みを加速させる中、急速な技術革新が進む中国においても積極的な施策の実行に取り組んでいるとのことだ。
カーボンニュートラル実現に向けた中国での取り組み
Hondaは、今年4月に中国を含む先進国でのEV・FCV販売比率を「2030年に40%、2035年に80%、2040年に100%」とする電動化目標を発表した。
この目標をスピーディーかつ着実に実現するために、中国では2030年以降、新型ガソリンモデルの投入を行わず、新たに発売する四輪車をすべてハイブリッドやEVなどの電動車とするとしている。
1.中国初のHondaブランドEVを「e:N」シリーズとして投入
中国初のHondaブランドEVとして2022年春に発売する「e:NS1」と「e:NP1」を皮切りに、EVならではの新たなドライビングプレジャーを実現する「e:N」シリーズを投入。
電動化時代においても、意思を持って行動する人々をenergize(エナジャイズ=元気をもたらす)し続け、カーボンニュートラルの実現を目指す電動化技術「e:Technology」に、New/Nextといった次世代に向けた新たな価値創造を表すNを冠した「e:N」シリーズは、Hondaが中国において本格化させる電動車事業の新たな幕開けを象徴したラインアップであり、今後5年間で10車種を発売し、輸出も視野に展開する予定であるとのことだ。
2.e:Nシリーズコンセプト「動」・「智」・「美」
e:Nシリーズは、これまでHondaが培った独自技術を次世代のドライビングプレジャーへと昇華させ、新価値を具現化する「動」・「智」・「美」というシリーズコンセプトで開発。
・「動」:
e:Nシリーズ専用の「e:N Architecture」(イーエヌ アーキテクチャー)を通じて、Hondaらしい人車一体感や、スポーティーで爽快な走りを実現。
・「智」:
先進のHonda SENSINGやHonda CONNECT、スマートなデジタルコックピットで作り出される総合システム「e:N OS」を通じて、安全、快適でスマートな移動空間を提供。
・「美」:
EVならではの美を表現するデザインアイデンティティー「e:N Design」により、見ただけ・触れただけで未来を感じることができる「一触未来」の世界観を提供。
3.e:Nシリーズ第1弾「e:NS1」「e:NP1」
シリーズコンセプトに基づき、Hondaならではのスポーティーで爽快な走りや安全・快適でスマートな移動空間、シンプルでシャープなスタイリングを実現した新型EVのe:NS1とe:NP1を、シリーズ第1弾として、それぞれ東風Hondaと広汽Hondaより2022年春に発売。
4.e:Nシリーズのラインアップを広げる3つのコンセプトモデル
e:Nシリーズのラインアップ拡充に向けて、今後5年以内の発売を目指して3つのコンセプトモデル「e:N COUPE Concept」「e:N SUV Concept」「e:N GT Concept」の開発を進めているという。
5.中国電動化の総合戦略 ~販売、生産、バッテリー供給体制~
Hondaは中国において、今後続々と投入するe:Nシリーズをユーザーに着実に届けていくために、商品のみならず販売から生産、バッテリー供給体制まで総合的に電動化への取り組みを加速させるという。
販売面では、e:NS1とe:NP1の発売にあわせて、中国にある約1,200のHonda販売店にe:Nシリーズコーナーを設け、さらに主要都市では、e:Nシリーズの販売に特化したe:N専売店の将来的な展開を予定。
また、e:Nシリーズ体験イベントを各地で展開するなど、ユーザーにe:Nシリーズの提供価値をじっくり体験できる場を創出。
生産面では、2024年の稼働開始を目指し、広汽Hondaと東風Hondaのそれぞれで、高効率で環境に優しいEV工場を新たに建設し、生産体制の強化を進めていくとし、電動化をスピーディーに実行していくうえでの鍵となるバッテリーについても、戦略パートナーであるCATLとの協業を加速し、高い競争力をもつバッテリーの供給体制を一層強化していくとのことだ。
中国で開発・生産するe:Nシリーズは、他地域への輸出も予定しており、Hondaはより多くのユーザーへ、その価値を届けていくという。
交通事故死者ゼロに向けた中国での取り組み
Hondaはこれまでも、世界に先駆け数々の安全運転支援技術を実用化しており、今後も、“事故に遭わない社会”の実現をリードすべく、安全技術の継続的な進化と普及に取り組むとしている。
そのコアとなる技術として、自動運転技術の研究開発で培われた知見やノウハウを先進運転支援システム(Advanced Driver Assistance System:ADAS)のさらなる知能化に生かし、全方位安全運転支援システム「Honda SENSING 360」を、2022年に中国から適用を開始し、順次グローバルへ展開。
そして2030年までに、中国を含む先進国の四輪車全ラインアップへの適用を目指すとのことだ。
Hondaは、すべての人に「生活の可能性が拡がる喜び」を提供する2030年ビジョンの実現に向け、各地域での取り組みを加速させ、環境と安全のグローバル目標をスピーディーかつ着実に実現していくとしている。