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ジンズホールディングス(以下、JINS)は、サステナビリティ共通ビジョン「アイウエアを通して、未来の景色を変えていく。」のもと、企業として持続可能な社会を実現する取り組みをより一層推進していくため、2050年と2030年をマイルストーンにしたサステナビリティの目標を設定したと発表した。
事業を通じた社会価値の創出のため、重点領域を特定し推進体制を強化
気候変動などの環境問題やダイバーシティ・インクルージョン、ヘルスケアなど、社会を取り巻くさまざまな課題に対し、JINSは2021年3月にサステナビリティ共通ビジョン「アイウエアを通して、未来の景色を変えてく。」を掲げ、中心事業であるアイウエアを起点としたプロダクトやサービスを通じた課題解決への取り組みを本格化した。
また、ESG(環境・社会・企業統治)やSDGsなどのグローバルイシューを中心に、国際的ガイドラインのGRIスタンダードなど様々な指標から項目を洗い出し、JINSおよびステークホルダーや社会全体にとっての重要性を考慮して、「6つの重点領域(マテリアリティ)」を策定。
<6つの重点領域>
・環境への配慮
・サプライチェーンの労働環境整備
・安心の製品とサービス
・ヘルスケア
・イノベーション
・社会への貢献
・クリーンな経営
さらに、サステナビリティに関する戦略や取り組みを検討し、全社に対して報告・提言を行う組織として「サステナビリティ委員会」を設置。
グループ全体でサステナビリティへの取り組みを加速させるために、社内の推進体制を強化しているとのことだ。
2050年・2030年をマイルストーンに環境・社会・ガバナンスに関する目標を設定
そして今回、中長期計画を策定しサステナビリティを確実に実現させるため、2050年と2030年をマイルストーンにした目標を設定。
環境と社会に関する2050年の目標については、「2050年の社会」の姿を規定したうえで、JINSが目指すべき姿を言語化。ガバナンスについては、2050年を見据え、JINSがどのような組織になるべきかを考察し、成長を続けるための組織のあり方を目標に置いたという。
また2030年の目標については、2050年の目標から逆算し、重点領域ごとに具体的な定量目標も交えて設定。
JINSはこれからも持続可能な社会の実現にむけて、社会課題解決に向けた取り組みを着実に進めていくとしている。
2050年目標
<環境>
2050年の社会:地球/自然と共生する循環型社会
循環をつくれ。未来、消費をなくせ。
カーボンニュートラルの実現。グループ内のCO2排出を実質ゼロとするため、再生可能エネルギー比率を100%へ。
一方、プロダクトについては、廃棄商品ゼロを推し進めると同時に、100%循環型のアイウエアへとシフト。環境についても「あたらしい、あたりまえ」を生み出すべく、トライし続けるという。
<社会>
2050年の社会:人々が長く幸せな人生を過ごせる社会
近視をなくす。目を通じた、幸福の追求を。
近視の抑制や予防にかかわる研究開発に取り組み、近視ゼロに向かうサービスプラットフォームへとビジネスを転換させる。
目を通じたWell-Beingを「Well-Seeing」と位置づけ、近視抑制技術の研究や心身の健康をめざすアイウエアの開発だけにとどまらず、優れた「見る」体験の提供など、「目」を通して、世界中の人々に驚きと喜びを届けるとしている。
2050年の社会:多様な人々が公平に働ける社会
企業。地域。地球。一人ひとり異なる個性が、それぞれに輝く場所であれ。
性別、国籍、障害。個々の意思や特性が蔑ろにされることなく、それぞれが自分らしく生きられる、働ける。同社はこの地球に在籍する一企業として、そういった社会に寄与し続けたいと考えているという。
そのためにもまず、JINSで働くすべての人の幸福を追求すること。公平な活躍の機会と人権の尊重。ダイバーシティ&インクルージョンの考えが、すみずみまで行き渡る組織をめざすとのことだ。
<ガバナンス>
2050年のJINS:次の50年も成長し続ける強い組織
善人を生む組織であれ。
強固なガバナンスを構築するためには、なによりも正直さ、誠実さが欠かせないとし、善人が集まり、育ち、そこに報いる組織であること。最新の課題にいち早く対応し、高いリスクマネジメントを担保するためには、なによりその観点が必要だと考えるという。
多様性に富み、互いを尊重し合う。誰もが本音で話せる、風通しよい環境を構築すること。JINSの、進むべき未来はそこにあるとのことだ。
2030年目標
気候変動への配慮
● 温室効果ガス(CO2)排出の30%削減(2019年比/SCOPE1+2)
● 国内店舗の約半数の再生可能エネルギー率100%
自然資源の循環
● 販売アイウエアの50%をサステナブル素材に
● デモレンズのリサイクル率100%※● 廃棄物の削減
・ 本社の廃棄物30%削減(2018年比)
・1店舗あたりの運営廃棄物30%削減(2021年比)
・店舗改装に伴う什器等の再利用率30%(2021年比)
・廃棄商品の削減と再利用化サイクル構築
・製品ライフサイクルの最大化
サプライチェーンの環境マネジメント
● 水資源の使用状況把握と目標設定(〜2025)
● 有害化学物質と汚水管理の法令遵守率100%● サプライチェーンのトレーサビリティ体制構築
生物多様性の推進
● 新規路面店の環境共生型店舗比率100%
※デモレンズとは、フレームの型崩れなどを防ぐために販売前のメガネに取り付けられているプラスチック製のレンズのこと。
近視進行を予防する技術/商品/サービス開発
● 眼科と連携する店舗率100%● バイオレットグラスの開発/普及による近視拡大への歯止め
社会のダイバーシティ推進
● 男女間における商品選択肢の差の解消
新しい価値を提供するアイウエアと周辺事業開発
● 心と身体の状態を可視化し整えるアイウエアの普及
● 新しい価値提供をするアイウエア開発
目の健康の啓発や優れた見る体験の提供
● 見る育やアート支援など、人々の見る目を養うプログラム活動
地域と共生する店舗実現
● 地域と共生するサービスを提供する次世代型店舗の推進
従業員のダイバーシティ
● 女性管理職比率30%
● 国内の外国籍比率10%
● PRIDE指標ゴールド取得
● (男女含めて)育児休暇取得率100%
● 障害者雇用率を法定の150%に
労働安全衛生と幸せな働き方
● 国内グループ内の重大事故ゼロ
● 他社/他国を牽引する、先進的な勤務体系
● 定年撤廃(※役職定年はあり)
人材資源開発
● 生産性とエンゲージメントの高い従業員比率25%、eNPS-30● 従業員一人ひとりによる社会貢献の支援制度化
● 社会に貢献する社内ベンチャーの育成
サプライチェーンの人権/労働マネジメントの徹底
● サプライチェーンでの重大事故ゼロ
● サプライチェーンの継続的なモニタリングと不当労働や事故の徹底排除
健全なガバナンス体制
● 各種ガイドラインへの先駆的な対応体制
● 多様性の確保された取締役会
● 取締役数8名以上
● 女性取締役の起用(最低2名以上)
● 独立社外取締役の増員(半数以上)
● 外国籍の取締役の起用
● 重大なインシデント(コンプラ違反など)ゼロ
● 徹底的なリスクマネジメントがなされた状態