メルカリは、同社が提供する、権利者がフリマアプリ「メルカリ」上に出品された権利侵害品の削除申立手続きを簡略化する「権利者保護プログラム」の参加団体として、一般社団法人 日本音楽事業者協会(以下、音事協)が加わったと発表した。

これにより、音事協に加盟する110社のプロダクションが管理するパブリシティ権等を侵害する商品の出品があった際に、音事協が会員社に代わって削除要請を行うことが可能になるとのことだ。

メルカリでは、ユーザーに安心・安全なサービスを提供すべく、2014年より「権利者保護プログラム」の運用を開始。また、カスタマーサービスによる24時間365日対応の監視体制や700社以上の権利者との連携強化を通じ、権利侵害品への対応を進めてきた。

今回、パブリシティ権等の保護に関する専門性を有する音事協が加わることで、これまでプロダクションが個別に削除申請していた作業を音事協が代行できるようになったとのことだ。

これにより、氏名・肖像が無断使用された商品への削除がさらに迅速になり、出品の抑制や芸能人ならびにプロダクションの権利を守ることに繋がるとのことだ。

なお、メルカリでは、今後「権利者保護プログラム」に未加入かつ音事協に所属しないプロダクション各社においても対話を進め、権利侵害品への対策をさらに強化し、より安全・安心に取引ができる環境の構築を目指していくとしている。

「権利者保護プログラム」概要

「権利者保護プログラム」とは、権利者がより迅速に「メルカリ」上の権利侵害品の削除申立手続きを進めることが可能になるプログラム。

権利侵害品の削除申立てに対して、通常プロバイダ責任制限法に則った対応を行うが、同プログラムに加入することにより、削除申立てごとの書類提出を省ける上、削除申立てを頂いてから権利侵害品の削除対応までを速やかに進めることができるという。

なお、従来は権利者のみがプログラムに参加可能であったが、2021年3月より権利者の加盟する団体も参加可能となったとのことだ。

◯対象者:知的財産権を所有する権利者(個人を除く)・権利者団体・信頼性確認団体
◯対象権利:商標権・意匠権・特許権・著作権・氏名肖像権・パブリシティ権・育成者権
◯プログラムに加入するメリット:通常であれば申立ての都度必要な「本人確認書類(登記簿謄本)」「権利の証明資料※」の提出が初回のみとなる。加入後は、加入者専用の申立フォームにてスムーズに権利侵害申立てができるとのことだ。

メルカリは今後も、「権利者保護プログラム」のさらなる拡充をはじめ、権利者やさまざまなステークホルダーとの連携を強化することで、より多くのユーザーに安心・安全にメルカリを利用してもらえるよう努めていくとしている。

キャンペーンキャラクター「Portraits」

音事協の氏名・肖像権、パブリシティ権への取り組み

音事協は1960年代に雑誌等における芸能人の写真の無断使用、1970年代からは商品や広告等における写真の無断使用への取り組みをはじめており、インターネット上におけるパブリシティ権等侵害にも対応してきたとのことだ。

また、出版等マスコミ業界への周知活動や社会に向けた周知・啓蒙として2001年より氏名・肖像権、パブリシティ権啓蒙キャンペーンを継続して実施。

パブリシティ権は、プロダクションとアーティスト双方の協力と、たゆまぬ努力により築き上げられた、ビジネスの根幹を成す貴重な財産であるという。

この努力の結晶を第三者により侵されたり、「アイコラ」や「ディープフェイクポルノ」のような極めて悪質な行為により傷つけられないよう、今後も積極的に啓発活動を続けるとともに、侵害行為のない社会になることを心より願っているとのことだ。