豊田通商の海外子会社である豊田通商アメリカと、Alter Trading Corporation(以下、オルター社)との提携により米国に設立した、アルミリサイクル事業会社Altech Recycling LLC(以下、アルテック・リサイクリング社)が、2021年9月に稼働開始したと発表した。

世界的なカーボンニュートラル実現への動きの中、BEV(電気自動車)をはじめとする電動車の普及は加速し、それに伴い軽量化に必要となるアルミ部品の需要が高まっており、また、環境への配慮からアルミスクラップの再資源化によるアルミ二次合金の需要の増加も見込まれているという。

北米地域内で発生するアルミスクラップについても、アルミスクラップの輸出大国である米国では、輸出先各国で強化される輸入規制に則したアルミスクラップの高品質化や、米国内での再資源化による有効活用が求められているとのことだ。

アルテック・リサイクリングの取り組み

豊田通商アメリカは、アルミバリューチェーン強化を目的とした川上事業参入のため、オルタ―社と共にアルテック・リサイクリング社を設立し、アルミリサイクル事業を推進。

同社では、オルター社や他のシュレッダー事業者から回収したシュレッダー後のミックスメタル(以下、ゾルバ)を選別・加工し、「Twitch(以下、トウィッチ)」と呼ばれる高品質なアルミスクラップを生産しているという。

それぞれの非鉄金属の比重差を利用した重液選別と洗浄・乾燥の工程を経てできるトウィッチは、アルミ二次合金原料として、市場の需要に応じて米国内およびグローバルに販売。

また、付随して生産される「Heavy(ヘビー)」と呼ばれる、銅、亜鉛などの非鉄重金属も販売していく予定としている。

アルテック・リサイクリングの取り組み

豊田通商グループは、中期経営計画において、廃棄物を再資源化し生産につなげる「循環型静脈事業」を4つの重点分野の1つとして位置づけ、成長戦略を推進。

同事業による北米でのアルミバリューチェーンの強化を通じて、循環型静脈事業のさらなる推進と、サーキュラーエコノミー(循環型経済)およびカーボンニュートラル実現への貢献を目指すとのことだ。