カナダのデリバティブ取引所であるモントリオール取引所(MX)は、アジア太平洋地域の投資家に対し、カナダ市場へのエクスポージャーを管理する機会を提供し、現地時間でクロスマーケット戦略を実施するための次段階の取り組みとして取引時間の延長を開始したと発表した。
これにより、1日ほぼ24時間取引可能となるという。
TMX Group(TMXグループ)社長兼MX最高経営責任者(CEO)、モントリオール取引所兼トレーディンググローバル統括、リュック・フォルタン(Luc Fortin)氏は、以下の通りコメントしている。
「私たちの市場の発展を引き続き後押しするとともに、カナダの金融派生商品への世界的な需要の高まりに対応すべく、新しいMXのグローバル化戦略をローンチできたことを大変嬉しく思います」
「世界的なキャピタルフローのトレンドに足並みを揃える形で、アジアの年金基金は、海外で注目を集めており、これまで当地域の投資家や取引参加者の方々から私たちが得てきた強力なエンゲージメントに励まされてきました。カナダは、投資家の方々そして世界中に、高い流動性、世界クラスの市場、そしてトップクラスの世界経済へのアクセスという魅力的な価値提案を提供しています。私たちがこうして前進していく中で、MXの取引時間の延長は、世界的な同業他社と一層足並みを揃え、国際的なプレゼンスを高め、顧客とのつながりを増やすことを可能にします」
ロンドン市場に合わせた、MXによる2018年実施の取引時間の延長は、海外投資家たちのカナダ市場へのアクセスを拡大してきた。
今回、アジアの営業時間中にMXの商品を取引できるようになることで、投資家やリスクマネージャーが、カナダのベンチマークプロダクトをオーストラリアや日本などの追加市場に対し相対値ベースで取引することが可能になるという。
また、こうした取引時間の延長は、顧客ベースを多様化し、流動性の新しい中心地を開発することで、MXのグローバル展開計画を加速化することを目的としているとのことだ。
立会開始は、東部時間午後8時(t-1)から(プレマーケット、東部時間午後7時30分(t-1))午後4:30まで。
世界中の投資家向けのトレーディング・リスクマネジメントソリューションとして取引時間を延長することにより、海外の顧客がMXのあらゆる金利デリバティブ商品に幅広くアクセスできるようになる。
その対象範囲は、2年物(CGZ)、5年物(CGF)、10年物(CGB)を含めた、3か月物CORRA先物(CRA)、3か月物カナダ銀行引受手形先物(BAX)をはじめ、カナダ国債先物ベンチマーク、S&P/TSX 60 インデックス標準先物(SXF)などの株式デリバティブ商品までに及ぶとのことだ。