伊藤忠商事は、「CO2固定化技術」を有する豪州Mineral Carbonation International社(以下、MCi社)への出資を実施したことを発表した。
MCi社は「CO2固定化技術」を研究・開発する会社であり、製鉄工程で生じる副産物(スラグ)や火力発電所で生じる石炭灰、その他カルシウムやマグネシウムを含む様々な物質(廃コンクリートなど)にCO2を反応させることで、炭酸カルシウム等を製造する技術を有しているとのことだ。
この技術は半永久的にCO2を固定化し、且つ有用な成果物を創出できることから、世界的な脱炭素の流れを加速させる技術として産業界を中心に幅広く注目されているという。
また、MCi社は6月に豪州政府から14.6百万豪ドル(約12億円)の本技術の更なる研究・開発に向けた基金交付を受けており、豪州国内で本技術への関心・期待が高まっていることがうかがえるとしている。
現在同社は豪州国内で実証プラントの建設準備を進めており、既にパイロットレベルで実証済みの本技術の更なるスケールアップを図っているとのことだ。
伊藤忠商事はMCi社技術の日本国内での展開を図るべく、3月に同社とMOUを締結。その後早期に実用化できる可能性があること、対面業界である鉄鋼業界・電力業界などの顧客からの本技術への関心が非常に高いことなどを総合的に鑑み、同社への出資に至ったとしている。
なお、本出資に伴い、同技術の日本向け展開・プロモーションについては伊藤忠商事が独占的に行うとのことだ。
伊藤忠商事は引き続き、日本国内におけるネットワークを活用し、MCi社の日本における実証プラント候補地の紹介・選定を行うという。
また、同技術で製造された炭酸カルシウム等や、これらを使用したセメント・コンクリート等の活用・販路の開拓に取り組むとし、本技術と日本国内のCO2削減需要とのマッチングを図り、取引先企業のCO2削減課題の解決に寄与するとのことだ。