報道ベンチャーのJX通信社は、運営するニュース速報アプリ「NewsDigest」で、全国の新型コロナ感染事例のある施設の情報を収集し、ユーザーが地図で確認できる機能を提供している。
同機能で蓄積した累計3.6万件に上るデータを分析したところ、第5波では、従来に比べて感染事例件数全体に占める「医療施設」や「福祉施設」の割合が急減する一方で、「店舗」での割合が約2倍に増加していることがわかったと発表した。
ニュース速報アプリ「NewsDigest」(無料/iOS・Android対応)では、新型コロナウイルス感染拡大初期から、全国で自治体や企業などが発表した感染事例のある施設の情報を独自に収集してきたという。
外出時の接触リスクの可視化に活用すべく、アプリのユーザーが近所の感染事例を地図でチェックできるようにし、昨年来蓄積されたこれらのデータは累計3.6万件に上っており、カバーしている感染者数は延べ12.7万人に上るとのことだ。
これらの感染事例報告施設のデータを時系列に分析したところ、今起きている第5波は「医療施設・福祉施設」の割合が急減し、7月26日〜8月1日だと全体の3.5%に留まったという。
「医療施設・福祉施設」の感染事例報告が45.2%(2月21日〜2月27日)を占める時期もあったものの、医師へのワクチン接種が始まった2月中旬以降、割合が急激に減少。同様に「福祉施設」も、高齢者へのワクチン接種が本格的に始まった5月中旬以降、割合が減少しているとのことだ。
一方で、飲食店やスーパー、百貨店など「店舗」の占める割合が71.2%と、第3波平均(約30%)の2倍以上に増えていることもわかったという。
感染力が強いとされる、いわゆるデルタ株により、職場や店舗での感染事例は急増しており、「密」の対策の回避の重要性が可視化されたと言えるとのことだ。
なお、同マップ内の情報は、自治体や企業等により発表された情報を公益の観点から集約・整理したものとしており、自治体や企業等による発表が確認できない情報や、発信元が不明な情報は一切含まれていないという。
したがって、全ての感染事例やクラスターの発生情報を網羅するものではないとのことだ。