H&Mは、欧州と米国のオンラインストアで展開する一部商品において、素材の環境負荷をスコアリングするHigg Index Sustainability Profile(ヒグ・インデックス・サステナビリティ・プロファイル)を導入すると発表した。

同ツールはサステナブル・アパレル連合(SAC)および技術パートナーであるHigg社により発表され、H&Mはこの新しいHigg Index Sustainability Profileを商品に適用する最初のブランドの一つとなるとのことだ。

欧州および米国のオンラインストアにて一部商品に適用される、Higg Index Sustainability Profile

Higg Index Sustainability Profileは、製品に使用された素材の環境負荷に関するデータや情報を共有するもの。

ブランドや小売業者、製造業者が同一の方法で各商品の環境負荷に関する検証済みのデータを共有することができ、より広範な透明性を提供することで、ユーザーはより多くの情報を得た上で購入判断をすることが可能となるという。

導入の第一弾として、欧州の全31のオンライン市場および米国のH&M公式ウェブサイト(hm.com)では、ウィメンズおよびキッズの2021年夏コレクションの一部商品においてHigg Index Sustainability Profileを適用。

日本での展開は未定であるが、2021年中には更に対象製品を拡大していき、2022年中には全オンライン市場へと拡大することを目指しているとしている。

対象となる各製品には、その製品を作るために使用された素材の環境への影響に基づいてそれぞれスコアが付けられている。

スコアは 「標準値」から「レベル 3」まであり、「標準値」は従来の素材や、環境への負荷がそれらと同等の素材を使用した製品に付けられる値。

「レベル 1」、「レベル 2」、「レベル 3」は、より環境負荷の低い素材を使用した製品に用られ、従来の素材に比べて最も環境負荷が少ない素材を用いて作られた製品には「レベル3」が付けられるとのことだ。

また、各製品には、水の使用、地球温暖化、化石燃料の使用、水質汚染などへの影響に関する詳細なデータも表示されるという。

製品に使用された素材の環境負荷のスコアが提示されるほか、水の使用、地球温暖化、化石燃料の使用、水質汚染などに関する環境負荷の情報も提示される

Higg Index Sustainability Profile(ヒグ・インデックス・サステナビリティ・プロファイル)について

Higg Index Sustainability Profileは、サステナブル・アパレル連合(SAC)の新Higg Index透明性プログラムの一部で、Higg Materials Sustainability Index(ヒグ・マテリアルズ・サステナビリティ・インデックス、MSI)から得られる環境負荷のデータを第3機関によって厳格に検証されたものに基づいている。

サステナブル・アパレル連合(SAC)とHigg社によるHigg Indexの透明性プログラムと、そのツールであるHigg Index Sustainability Profile(ヒグ・インデックス・サステナビリティ・プロファイル)は、数年にわたって世界の小売企業やサステナビリティの専門家とともに共同で開発されたもの。

今回発表された新たなプログラムは、ユーザーにより広範な透明性を提供することにつながり、それによってより多くの情報に基づいた購入判断をすることができるとのことだ。

今後、製造工場による環境・社会への負荷など、さらに多くの情報を共有できるよう、引き続き同プログラムの開発は継続される。

製品へのHigg Index Sustainability Profileの導入について、H&Mはより透明性を高めるための重要なステップであると捉えている。

2013年、H&Mグループは世界のファッション小売企業として初めて、サプライヤーリストをオンラインで公開し、そのリストは継続的に追加・拡大されているとのことだ。

2019年には、大手ファッション小売企業として初めて、製品の透明性を拡大し、hm.comの全製品にて素材の詳細や製造工場の情報など、透明性レイヤーを導入。

そして現在、次なる段階として、Higg Index Sustainability Profileの取り組みをさらに拡大し、2021年中に同プログラムを適用する対象製品を増やし、2022年中には全オンライン市場にてできるだけ多くの製品でプログラムを提供することを目指して取り組みを進めているとしている。