川崎重工は、本日、自動PCR検査ロボットシステムを関西国際空港の出発ターミナル入口(4F)に設置したことを発表した。

同システムによる、国内初の空港での国際線出発旅客向け検査サービスの開始を目指すとのことだ。

新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により人々の行動が制限され、空港の利用者数が大幅に減少。このような状況下で、経済復興に向けた人の往来拠点となる空港の利用者数回復は、日本のみならず世界各国の政府・産業界が関心を寄せる喫緊の社会課題となっているとのことだ。

同社がシスメックス、メディカロイドと共同開発した同システムは、1日最大2,500検体を全自動で検査することが可能。藤田医科大学(愛知)との共同研究で同システムの有効性が確認され、2021年3月より実検査に使用されているという。

同システムにより、今後空港利用者をはじめ、空港関連施設の職員、周辺自治体が実施するモニタリング検査や、高齢者施設、医療従事者などエッセンシャルワーカーへのPCR検査を実施することが可能となり、感染対策と社会活動の両立が期待されるとしている。

今後同社は、同空港において空港の運営会社である関西エアポートとの連携を図り、本格的に検査サービスの開始を目指すとのことだ。

<自動PCR検査ロボットシステムの特長と概要>

1)特長

①世界標準のリアルタイムRT-PCR検査方式を採用した短時間での検査(約80分での検査実現)
②ロボットによる無人化/自動化により、大量の検査を高精度に安定して行えるとともに、医療従事者の負担軽減が可能
③遠隔監視により安全性を確保しつつ運用を簡易化/省人化
④厚生労働省・医師会の推奨手法に沿った手順でのロボットによる大量検査
⑤省スペース対応(検査システムは40フィートコンテナに収まる)
⑥コンテナとして移動も可能なため、様々なイベント等でも活用が可能

2)概要

①外寸:長さ12.2m 幅2.5m 高さ2.9m (システム本体)
②検査能力:1日最大2,500検体(16時間稼働の場合)