第一三共ヘルスケアは、熱中症に関する知識やその予防法を啓発するため、全国の20代以上の男女500名を対象に「感染症対策と熱中症に関する調査」を2021年4月2日~4月5日に実施。

昨年は記録的な猛暑に加え、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、外出自粛やマスク着用などの新しい生活様式導入により、「マスク熱中症」などの従来なかった問題が発生した。

コロナ下で2度目の夏を迎える今年も、マスク着用による熱中症のリスク増加が予想されるという。さらに、今年から始まった新型コロナウイルスワクチン(以下、ワクチン)の集団接種に際して、接種後にどのような感染症対策をとればよいか、正しい対応を知り実践できているか生活者の実態を探ったとのことだ。

■調査概要

1.4人中3人が暑くても「人目を気にしてマスクを外せない」と回答。「常に着けていなくてはならない」は約8割。

外出時、「暑いと感じるときでも、人目が気になってマスクが外せない」人が74.8%、「常にマスクをしていなくてはいけないと思っている」人が82.6%と、多くの人が外出時に、マスクを外してはいけないと思っていることが分かった。

暑いと感じるときでも、人目が気になってマスクが外せない
常に(飲食時は除く)マスクをしていなくてはいけないと思っている

2.9割以上がワクチン接種後もマスク着用を継続と回答。

「ワクチンを接種したらマスクは着用しない」と回答した人が9.6%と、9割以上(90.4%)がマスク着用を継続する意向を示し、ワクチン接種後の新型コロナウイルス対策として正しく理解していることが分かった。

ワクチンを接種したらマスクは着用しない

今夏もマスクが必需品となりそうであるとしている。

3.60代以上の7割超が20代と変わらず「暑いと感じるまでエアコンは使わない」と回答。

暑いと感じるまでエアコンは使わない

夏の過ごし方について、「暑いと感じるまでエアコンは使わない」と回答した人は全体の73.6%。世代別にみると60代以上は74.0%と、20代の73.0%とほとんど変わらない結果となった。

加齢に伴い心臓や腎臓の機能が低下していることも多いため、水分の出入りを調節する能力も衰え脱水症状を起こしやすく、若い世代よりも熱中症のリスクが高いといわれているという。

■「夏の正しいマスクの着用方法と、熱中症対策」

1.熱中症対策のカギは「暑熱馴化(しょねつじゅんか)」を促すこと

暑さを感じたときに速やかに体温を下げられる体作りのことを「暑熱馴化(しょねつじゅんか)」という。

これにより体温の上昇に素早く体が反応して汗をかきやすく、皮膚の血流量を増やせるため、体から熱を逃す力が増加。ウオーキングなどの汗をかく運動を続けたり、入浴習慣があると、本格的な暑さが到来する前に暑熱馴化できるという。

しかし調査によると、夏の暑い時期の過ごし方は、「あまり運動をしない」68.2%、「入浴はシャワーで済ませる」43.4%という結果に。

昨年は外出自粛による運動不足や外気温に触れない生活を送ることで暑熱馴化が進まないことに加え、コロナ下でのマスク着用もあり、例年に比べ熱中症のリスクが高まった。今年も同様の悪影響が重なることが考えられ、注意が必要であるという。

2.マスク着脱と、水分補給のタイミングを再確認

外出している時にマスクを外してはいけないと思っている人が多いが、熱中症にならないためには、マスクを外してもよいシチュエーションをしっかりと把握し、近くに人がいない所では、適宜外すことも必要であるとのことだ。

マスクをしていると水を飲むこともできず、口の渇きを感じにくくなり、知らないうちに脱水になってしまうことも熱中症のリスクを高めてしまうという。自分の感覚を過信せず、決まったタイミングで水分補給をすることが重要であるとしている。

また、マスクをしていると子どもは、脱水が進む危険性があり、大人でも注意が必要であるという。

熱中症予防のポイントは以下。

  • 屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合にはマスクをはずす
  • マスク着用時、強い負荷の作業や運動は避ける
  • のどが渇いていなくても定期的に(時間を決めて)こまめに水分補給を心がける
  • 外出時は暑い日や時間帯を避け、涼しい服装を心がける
    ※周囲の人との距離を十分にとれる場所で、マスクを一時的にはずして休憩することも必要

水分補給のポイントは「こまめに少しずつ」とり、目安は、1時間おきにコップ1杯(200ml)程度。運動をするときには、できれば10~20分おきに水分をとるのが望ましいとされている。

特にマスクをしていると喉の渇きを感じにくいので、自分の感覚をあてにせず、飲む時間を決めてとることが大事とし、1日に最低でも8回の水分補給機会を設けるべきであるとしている。

また、水分補給には、しっかり食事をとることも大切であるとし、成人では3食とることで食事から約1,100mlの水分を摂取できる。栄養素が体内で代謝される時に水が作られ、その量は約300mlともいわれ、1日の水分摂取の多くを食事が担っているため、日常生活で発汗から失われる塩分も、食事でとることができる。

熱中症予防のための水分補給のポイントは以下。

  • 1回にコップ1杯(200ml)程度
  • 通常は1時間おき、運動時は10〜20分おき
  • 冷たすぎない水を(38℃以上の高熱時は除く)

<調査概要>
・名称:「感染症対策と熱中症に関する調査」
・対象:全国の20代以上の男女500名(20代、30代、40代、50代、60代以上の各年代100名)
・期間:2021年4月2日~4月5日
・方法:インターネット調査