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アシックスは、ストライド型、ピッチ型の走法に応じてそれぞれ設計したトップアスリート向けのランニングシューズ「METASPEED(メタスピード)」シリーズを、3月31日からアシックスオンラインストアで先行発売し、4月9日から一部のアシックス直営店、全国のスポーツ用品店で順次発売すると発表した。
ストライド型のランナーに対応した「METASPEED Sky(メタスピードスカイ)」、ピッチ型のランナーに対応した「METASPEED Edge(メタスピードエッジ)」の2種類を展開。
メーカー希望小売価格はどちらも27,500円(税込)とのことだ。
長距離走における走法は、スピードを上げるに従い、主に一歩の歩幅(ステップ長)が変化するストライド型と、スピードを上げるに従い、一歩の歩幅も足の回転数(ピッチ)も変化するピッチ型の2つに分類することができる。
また、走行スピードは歩幅の長さ×足の回転数の式で求められ、ストライド型では歩幅をより伸長させること、ピッチ型では歩幅の伸長に加え足の回転数を上げることが走速度向上に重要であることが同社の研究で分かった。
今回発売する商品は、ストライド型とピッチ型の走法の違いに着目し、ランナーが日ごろのトレーニングで身に着けた走り方を維持しながらパフォーマンスが向上できるよう設計しているという。
どちらも、同社の軽量フォーム材の中で最も優れた反発性を発揮する「FF BLAST TURBO(エフエフ ブラスト ターボ)」をミッドソール(甲被と靴底の間の中間クッション材)全面に採用。
着地と同時に変形、圧縮し、素早く元の形状に戻ることで、跳ね返るような感覚が得られ、ストライドを伸ばすことが可能に。また、軽量のカーボンプレートをミッドソール内部に搭載し、足の動きを安定させ、効果的に身体を前方向へ推進させるようにしているという。
さらに、靴底前部にカーブをつけることで、走行時のエネルギー消費につながると言われる足首部の過度な屈曲を抑え、少ないエネルギーで足を前に運べるようにしている。
これらの機能をベースとしながら、ストライド型またはピッチ型に応じて「FF BLAST TURBO」の厚みや靴底前部につけたカーブの角度などを調整しており、「METASPEED Sky」では一歩一歩の歩幅をより伸ばし、「METASPEED Edge」では一歩一歩の歩幅を伸ばしながらピッチも上げやすいようにしているとのことだ。
なお、アシックススポーツ工学研究所が実施した予備実験では、同社従来品と比較し、どちらもフルマラソンの距離をゴールするために必要な歩数の1.2%以上少ない歩数でゴールできると推定されたという。
〇「METASPEED Sky」の主な特徴
ストライド型のランナーが、ストライドをより伸ばし、少ない歩数でゴールできることを追求した構造設計を各所に採用。
- 「FF BLAST TURBO」を厚めに配し、かかと部から前部にかけて5mmの傾斜差をつけることで反発性をできる限り高めている。
- ミッドソール内のかかと部から前部にかけて軽量のカーボンプレートを搭載。
- 靴底前部に厚みを持たせたカーブ形状に設計することでストライドを大きく伸ばせるようにしている。
- ミッドソールの形状を横に張り出すような立体設計とすることで厚みのあるシューズにみられがちなぐらつきやブレを抑制し、安定感のある接地感覚を実現。
靴底の底面には、さまざまな路面コンディションでも高いグリップ力を発揮する「ASICSGRIP(アシックスグリップ)」を採用している。 - アッパー(甲被)は、100%リサイクルポリエステルを使用したエンジニアードメッシュを採用。部位に応じて編み方や孔の大きさを変え通気性とサポート性を両立させている。
〇「METASPEED Edge」の主な特徴
ピッチ型のランナーが、ピッチを調節しながらストライドを伸ばし、少ない歩数でゴールできることを追求した構造設計を各所に採用。
・「FF BLAST TURBO」の厚みを「METASPEED Sky」より抑え、かかと部から前部にかけて8mmの傾斜差をつけることで反発性を高めつつ、ピッチをコントロールしやすくしている。
- ミッドソール内のかかと部から前部にかけて軽量のカーボンプレートを搭載。
- 靴底前部のカーブをゆるやかで流れるように設計することでストライドを伸ばしながらピッチもスムーズに上げられるようにしている。
- ミッドソールの形状を横に張り出すような立体設計とすることで厚みのあるシューズにみられがちなぐらつきやブレを抑制し、安定感のある接地感覚を実現。靴底の底面には、さまざまな路面コンディションでも高いグリップ力を発揮する「ASICSGRIP(アシックスグリップ)」を採用。
- アッパー(甲被)は、100%リサイクルポリエステルを使用したエンジニアードメッシュを採用。部位に応じて編み方や孔の大きさを変え通気性とサポート性を両立させているとのことだ。
〇「アシックスイノベーションサミット2021」
同シューズは、バーチャルリアリティー(VR)技術を使用し、技術、製品、サービスにおける研究開発の拠点であるアシックススポーツ工学研究所を仮想現実上に再現し、さまざまな取り組みを紹介する「アシックスイノベーションサミット2021」で発表。
同社は、製品やサービスの開発にあたり、使う人の身体や動きを徹底的に研究し、使う人と調和するよう科学的に設計するヒューマンセントリックデザインに基づいたパーソナライゼーションを重視しているとのことだ。
ここではヒューマンセントリックデザインを軸としたアシックスの歴史と現在、目指す未来を紹介しており、その一部をYouTubeで一般公開する予定であるとしている。