2019年4月、新しい在留資格「特定技能」制度が創設され、人手不足が深刻な分野で外国からの人材の受入が可能になった。

こうした中で、日本で働く外国人労働者数は2019年10月末の時点で、約166万人にまで増えたが、今後、さらなる受け入れの拡大が予定されている。

JICAは近年、日本で働く外国人の支援や、日本で就労や技能実習の経験のある人たちを母国に還流させ、その経験の活用を目指す事業もはじめた。

開発途上国から来日する人材に、日本と母国でもっと活躍してもらうために、必要な取り組みとはなんだろうか。本記事では、「外国人労働者」をキーワードに、JICAが実施する「中小企業・SDGsビジネス支援事業」を活用し、途上国や新興国の課題解決に取り組む企業や専門家などのインタビューを交え、外国人労働者とともに切り開く途上国の社会課題解決について紹介していく。

外国人向けの求人サイトWORK JAPANの代表を務める松崎みさ氏、介護分野で人材の還流に取り組む株式会社エスポワール(長野県佐久市)の甘利庸子氏、ラオスやベトナムなどで農業分野の人材育成に取り組むファーマーズ協同組合(香川県善通寺市)の近藤隆氏、JICA国内事業部 参事役の奥村真紀子氏が語り合った。

2030年、労働力640万人が不足との試算も

日本で働く外国人が増えています。JICAは、外国人労働者に対してどのような取り組みを行っていますか。

奥村氏:外国人労働者の約半数が、開発途上国の方々です。これだけ労働者が増えてきていることもあり、JICAがこれまで開発途上国での国際協力の経験や、開発途上国から日本での研修を受け入れてきた経験を活かせないかと、外国人労働者の来日前、来日中、帰国後のそれぞれの段階で取り組みを進めてきました。

政府が「外国人材の受け入れ・共生の為の総合的対応策」を2020年7月に改訂した際、JICAの取り組み4点が、初めて政府の施策に位置づけられました。

一点目が、これまでJICAが途上国で実施してきた現地での教育訓練機関での人材育成事業の活用です。二点目が、労働者を送り出す国の行政機関へ専門家を派遣し、送り出す機能を改善すること。

三点目が、日系四世がビザを取得できるようになりましたが、日本語の資格が求められるため、日本語教育を現地で支援すること。四点目は、自治体に設けられる外国人向けの相談窓口が拡充されますが、こうした窓口で対応する人材として、JICA海外協力隊で途上国での活動や生活を経験した人材を直接あっせんする事業も開始しました。

JICA 奥村真紀子氏

松崎氏:日本の現実として、パーソル総合研究所の調査によると2030年に640万人の労働力が不足し、そのうち、80万人は外国人で確保する必要があるという試算があります。

初年度の特定技能の人材は、4万人程度が来日する目標でしたが、2020年の10月の時点で8千人ほどで、特定技能が思ったほど伸びていません。

人手不足は間違いないですから外国人材へのニーズが高まり、特定技能は今後伸びてくると思います。ただ、85パーセントが技能実習生から特定技能にスライドしています。あまり新規の入国につながっていないのは、残念に思います。

株式会社WORK JAPAN 松崎みさ氏

日本での学び、母国で活かす

エスポワールは、どのような事業に取り組んでいますか。

甘利氏:特別養護老人ホーム、ケアハウス、通所介護、訪問介護、訪問看護、グループホーム、有料老人ホーム、などの介護事業を株式法人、社会福祉法人として経営しています。

将来、人材の不足で日本の介護は破綻しかねないため、仲間たちと介護施設協同組合を立ち上げ、2018年から外国人材の受け入れをはじめました。

ベトナム、インドネシア、フィリピンから労働者が来日した際、出身国によって日本語レベルの差がありますし、送出機関によって個々の差もあります。

来日後に2ヵ月間の講習をするのですが、現地と日本のシームレスな教育が必要だと気づきました。

介護の場合は、日本語能力試験の四級(レベルN4)に合格することが大前提なので、現地で6~10ヵ月は勉強している訳です。その中で、日本に入ってくる前から、介護に必要な日本語と、日本での介護の基本的な考え方を学ぶ必要があります。

東南アジアの高齢者ケアは、至れり尽くせりで、靴下からパンツまで全部はかせてあげる。これに対して、日本は高齢者が自分で食べ、排泄し、歩くことができるよう、有する機能の維持・向上を目指した自立支援なので、日本に入ってくる前に、頭のスイッチを入れ替える導入講習も必要です。

いま、海外介護士育成事業も始めており、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、採択された普及・実証・ビジネス化事業の開始までに時間がかかっているので、先行してベトナムに現地法人を立ち上げました。一昨年から、海外の介護技能実習生の導入講習を開始しています。

2013年からずっと、人材の還流に取り組んでいます。母国の介護人材のレベルを押し上げ、日本の自立支援を普及させていくと、母国で育った介護士たちが、日本の介護を身に着けたい、日本で働きたいと希望し、日本の自立支援を身に付けた介護士が大勢来日してくれます。日本へ入国した後も苦労なく、自信を持って入っていける。

日本で学んだ人が母国に戻って、介護施設のリーダーや、介護教育の教師として活躍するという人材の還流をつくりたいと考えています。

労働力としてだけ一時的に来日しても、日本で学んだ事、働いた事を母国で活かされなければ、技能実習も特定技能も一方通行では、いつか途絶えてしまいます。

コロナ禍で現地に行けない、あるいはポストコロナの世界を考えてオンライン教材の開発をはじめました。私たちが現地で教えるには限界がありますが、オンラインで、現地を補助するという仕組みを考えています。

株式会社エスポワール 甘利庸子氏

ファーマーズ協同組合は、どのような事業に取り組んでいますか。

近藤氏:監理団体として、香川県、徳島県において外国人材受け入れ支援、技能実習、特定技能人材の職業紹介などを行っています。

現在、農業分野に特化してカンボジア、ラオス、フィリピン、ベトナムの4ヵ国から外国人労働者の受け入れを実施しています。

この事業は、もともと研修制度として1993年にスタートしました。当初は技術移転としての技能実習でした。今後もだんだんと実質的な機能が変わっていくと思います。

外国人たちには、日本で学んだので帰国して結婚したいとか、日本に残りたいとか、別の仕事をしたいとか、それぞれの希望があります。これからの仕組みとして、個人個人のニーズに沿う形に変えていってほしいと思います。

ファーマーズ協同組合 近藤隆氏

好循環を生む仕組みが必要

日本で就労経験がある人たち、特に技能実習経験のある人たちを母国でもっと活躍してもらおうというプロジェクトが始まっています。どのようにお考えですか。

奥村氏:技能実習で来日しても、来日前の実習内容と、来日後に就職する内容が結び付かないことがよく起きていたと思います。こうした状況は、途上国の経済社会の発展という視点から考えると、非常にもったいない。

エスポワールの事例は、人材を還流するところに着目して育成をしています。ファーマーズ協同組合の事例も、日本での実習後、自国でスキルを活用して就労するといった有機的な繋がりが生まれていると理解しています。

ファーマーズ協同組合はさらに、ラオスでは農村から実習生を受け入れ、ラオスで栽培されたニンニク種子を日本に逆輸入するといった、一つの事業で三粒も四粒も美味しいような事業になると聞いており、期待しています。

松崎氏:課題もあって来日したけれど、選んだ職種が合わなければ、外国人にも転職する自由があっていいんじゃないかと、いつも思っています。

日本での就業経験を母国で活かせるといいのですが、帰国後に経験を活かすことができず、またサウジアラビアやクウェートに出稼ぎに行く現実があります。

さらに、クウェートで5年働いた人がまた日本にやってくる。家族と何年も離れて海外で仕事をするなど、途上国の産業はどうなってしまうのかという課題もあります。

また、現実として、日本と途上国の産業成熟レベルにギャップがあり、日本で学んできたことをなかなか母国で活かせない。あるいは母国に進出している日経企業の工場等で働けることになっても日本と母国の賃金のギャップがありすぎて、やはりまた海外に行ってしまうという課題もあります。

たとえば技術ギャップがさほど影響しない農業では、現地で研修を受けた人が来日して5年間農家で働く。帰国後、日本で身につけた技能を活かして、再びファーマーズ関連の農家で働く。将来的には母国帰国後に起業し、生産した農産品が日本に輸出される循環が生まれれば、技能実習の技術移転という本当の目的が達成できると思います。

奥村氏:別の視点で見ると日本で就労や就学の経験があると、一定程度日本人の考え方や、ビジネスのやり方を理解できると思います。そういった人たちは、途上国でビジネスを展開しようとする日本企業にとってすごく役に立てると思っています。

東南アジアの介護者が変える、日本の介護施設

甘利氏:東南アジアの人たちは、高齢者をすごく大事にします。小さい時からおじいさんやおばあさんに育てられているので、お年寄りとの関わり方が自然です。日本の介護の現場に来ても、最初からすっと入っていくことができるんです。

それを見て、日本人の介護スタッフも、こうすれば高齢者がもっと心を開いてくれるとわかる。研修を受け入れる側にもメリットや、新たな気づきが生まれるんです。

日本国内での研修の様子

それから東南アジアの方たちは、いつも笑顔です。真面目で素直で本当に良い。

私たちの組合から、200人の技能実習生が全国に出ていますが、実習生が入ったことで、本当に施設が良い方向に変わっています。

農業で産業振興を目指す

近藤氏:日本の農村では、まだまだ外国人に宿泊施設を提供してくれるところも少なく、外国人の生活環境を整えるのは、非常に難易度が高い。

サポート体制をつくって、新しい人にはベテランの受け入れ農家が、今までの経験を教えながら少しずつ受け入れる外国人の数を増やしています。まったく外国人材との関わりがなかった人が農業の分野で受け入れると、問題が起きやすいので、受け入れる側の方のサポートが大事だと思います。

ラオスでは「持続的農業開発にかかるシェンクワン—香川県—JICA連携 プログラム」という事業を行っています。ラオスの国境地帯では、モン族という山岳民族が移動式の焼き畑農業で生活しています。

所得は非常に少なく、急斜面で女性たちが苦しい思いをしてコメやトウモロコシを植えたり、収穫したりしています。

ラオスにはもう長く関わっていますから、常々それが気になっておりました。ニンニクの種子を植えてみたり、色んな果樹を栽培したりしました。

このプログラムでは、優良な果樹の苗木をラオスに運び、仮植をしています。焼き畑の土に果樹を植え、定住を促し、果樹である程度生計を立ててもらう。

山岳民族は所得が少ないので、若者が都会に流出して過疎になっていますが、やはり農業で産業を興す必要がある。ベトナムとラオスのモン族の若者に香川県に来てもらい、農業技術の勉強をしてもらっています。帰国後、我々と会社を創ったり自立をしたりするというのが大きな目的です。

ベトナムではJICAの「中小企業・SDGsビジネス支援事業」の案件化調査が完了し、普及・実証・ビジネス化事業が採択されました。香川県のニンニクの種子は、中国から輸出していますが、他にも種子の産地ができないかと、香川県や香川大学、JA香川県にも入ってもらいオール香川で取り組んでいく予定です。

ベトナムの案件化調査終了後は、ゲアン省キーソン郡で毎年2人程度を選抜して日本で勉強をしてもらっています。

帰国後は技能実習生たち自身でJAのような組合組織をつくって、母国でその中の一員としてがんばってほしい。このような方向で考えています。

ベトナムでの案件化調査実施時には現地の第十青年団を訪問

実習生たちの起業マインド

技能実習生の実習後のキャリア形成が難しいと言われています。ファーマーズ協同組合の事例の意義をどう考えますか。

奥村氏:  農村から人を選抜して日本で実習することで、来日する人にとっても安心してキャリア形成ができるという意味で、素晴らしい取り組みです。JICAとしては、途上国の農村と日本の地域の双方が持続的に発展するよう、応援していきます。

日本の農家の中には外国人の受け入れに消極的なところもあるそうですが、この事例では、大学も巻き込み、学生や研究者を含め、地域での理解がより広がるような相乗効果が出るといいなと思っています。

松崎氏:アジアからの技能実習生に、日本でお金を貯めてどうするのと尋ねると、豚を買いたいと答える人が多いんです。

アジアではまだまだ農業も労働集約型で、日本より農業人口が多い。技能実習生の多くは、地方出身者で、地元でも農家をやっています。

現地の農家は、収量や売り上げがなかなか上がらない。

そこで豚を飼えば売り上げを上げられると、起業マインドを持って、来日する人がけっこういます。

たとえば日本の自動車の部品工場で働いて、母国で同じく部品会社を興すのはかなり大変ですが、農業は、アジアの人たちの目線にすごく合っています。その道筋を提供しているファーマーズ協同組合の活動は素晴らしいなと思っています

母国への貢献も大切ですが、日本の農家も高齢化しています。将来の日本の食料生産を考えると、日本の農家を支える人材としても、外国人を巻き込むことが必要です。

民間企業に有効なJICAの後押し

日本式介護学校と介護センターの一体運営モデルとは、どんな取り組みですか。

甘利氏:2013年に、タイにおいて日本人経営者が手放したタイの教育省が認可した学校法人を引き受け、今とまったく同じような事を考えて、単独で取り組みをはじめました。

しかし、2013年にクーデターが起き、タイの事業は衰退し、学校法人も手放しました。 中小企業が海外に行って、現地の国の仕組みも変えたいと考えたときに、独力では難しいということを痛感しました。

大きな痛手を負い、バンコクのJICA事務所にも相談に行きました。その後、心機一転ベトナムでの事業を模索した結果、案件化調査が採択され、その後、普及・実証・ビジネス化事業が採択されました。

相手国の省庁や国立病院は、民間企業だけでは話に乗ってくれません。そこで、JICAの方が同席してくれるだけで雰囲気が変わります。そういう意味で、JICAの後押しがないと、ベトナムでの事業も実現できないと感じています。

ベトナムでは、介護保険制度がなかったり、介護に関して学ぶ場所と実際に介護をする施設がバラバラに運営されたりしています。そこで、我々として教育の場と、実際に現地の高齢者を介護する場を一体運営することで、卒業後に働く場所があるため、学びたいベトナム人が集まってくれると考えています

一体運営することで学生たちの実習先にもなり、日本で学んだ技能実習生たちが、教師にもなり得ます。リーダーとして実際に働いてもらう場となります。

一体運営の施設が各地域に一か所ずつあれば、介護が確立されていないベトナムで、一気に仕組みが整えられると考えました。

介護分野の技能実習生が2023年ごろから、ベトナムに帰国しはじめます。すでにEPA(経済連携協定)で来日している介護福祉士もおり、ベトナム人のEPA介護士2人が現地法人で教師を務めています。

現地法人で教師を務めている実習生たちが、いま日本で学びを得ている技能実習生が帰国するまでに、普及・実証・ビジネス化事業で介護学校と介護センターの一体運営モデルを確立し、帰国した人たちの活躍の場をつくる。こうイメージしています。

そして、その新しい場で学んだ人が日本に来て、介護現場を支え、また母国に帰って活躍するという循環をつくりたいと考えています。

ベトナムでの介護導入研修

JICAの事業を活用することになったきっかけとJICAと組むことによりメリットは何ですか?

近藤氏:2013年にJA香川県と共に、ベトナムでのニンニク種子の試験栽培を開始しました。その活動の中で、2016年7月に「JICA中小企業現地調査プログラムベトナム農業分野」(日経企業とゲアン省の交流会)に参加したところ、JICAの方から、中小企業海外展開支援事業(現:中小企業・SDGsビジネス支援事業)について紹介があり、2017年に同事業の案件化調査に応募しました。

一番のメリットは、やはりJICAの支援があると各国の行政が大変協力的で、行政関係の手続きが、個人で行うよりも、とてもスムーズになることです。

ベトナムでの案件化調査実施時に収穫されたニンニクを現地にて視察

明確なキャリアパスの設定を

2020年11月には、JICAが事務局となり「責任ある外国人労働者受け入れプラットフォーム」が設立されました。「責任」がポイントに思われますがどのような課題意識が背景にありますか。

奥村氏:外国人労働者が増える中で、国によっては、多額の借金を負って来日せざるを得ないという問題があります。

来日したとしても、労働環境がかなり過酷だったり、一部でハラスメントがあったりと、日本の受け入れ側の問題も、国際社会から指摘されています。

今後アジア各国で人手が足りなくなる中で、日本が選ばれる国でいられるのか、誰も来てくれなくなるんじゃないかという危機感がありました。

こうした問題意識から、日本の問題を解決するため、関係者と相談をし、プラットフォームを設立することになりました。

近藤氏:カンボジアからも多くの人材を受け入れていますが、カンボジアには会社があり、日本語学校、農場も併設して、事前に日本語と日本語で農業を6カ月間学んでもらいます。

帰国後には、優秀な人は大学に行ったり、資格を取得した人は日本語の先生を務めてもらうといった仕組みがあるので、私たちのところでは比較的トラブルが少ないです。

最近では、外国人が地域の川の掃除をしたり、草刈をやったりとか、積極的に行事に参加してくれるようになりました。地域住民の見る目も変わって、全体的に良い方向に変化していると思っています。

甘利氏:介護の技能実習生と受け入れ先は、いまのところ良い関係が出来ています。責任を持つという意味では、今日本でやっていることが将来技能実習生が帰国した際にさまざまな場所で活躍できる点や、介護福祉士という資格を取ると選択肢としても世界が広がるといった、希望に満ちた未来が待っているということを示せるよう、道筋をつくることが重要です。

松崎氏:日本が、外国人に来てもらわないといけない状況であるのはまちがいありません。

他国の方が賃金が高くなっている中で、日本を選ばない人たちが出てきている。日本に対して悪いイメージを持たないように、プラットフォームが設立されたのは大きいと思います。

技能実習生の失踪について思うのは、監理団体に失踪者が出ないようにしなさいと言うのは本当に難しい。

雇用主がいやだとか、先輩たちがいやだとか、同僚がいやだという場合、日本人なら転職の可能性があります。外国人は転職ができなから、結果的に失踪という形になってしまうのではないでしょうか。

自動車業界に入ってきたけれど、農業の方がいいと思ったら移行できるなど、自由に職業を選べる環境をつくれば、もっと日本が選ばれる国になれると思います。

最後に他の企業にメッセージをお願いします。

甘利氏:やるべきこと、やらなくてはならないこと、そのために自分が何をしたいのか、できるのかを発信して続けていけば、それが日本と世界にとって必要なことであれば必ず、いろいろな機関が支援してくれるようになります。あきらめないこと、続けていくことが全てだと思います。

近藤氏:カンボジアで会社を立ち上げた時に、個人で立ち上げたところ、行政関係の手続きに大変手間取りました。一方、ベトナムの案件化調査や、ラオスの連携プログラムなど、JICAの支援を受けて進めた事業は、各国の行政が大変協力的で、スムーズに活動することができました。不慣れな公的支援のための資料作成などについては、コンサルタントに入ってもらい解決しました。JICAではコンサルタントとのマッチング窓口もありますので、途上国でのビジネス展開を検討中の企業の方は、ぜひ一度JICAへご相談されることをお勧めいたします。

松崎氏:日本は、外国人単純労働者の活用と言う点で、欧米やシンガポールに遅れをとっています。 例えば、シンガポールは、政府主導でアジア各国に技術研修センターを設置して、意欲の高い人材の確保に動いています。 日本にいる外国人は近年増加しているものの、企業単位で見ると外国人採用に全く踏み出せていない企業も多くあります。日本が意欲の高い人材から選ばれる国になるために、外国人労働者政策を政府主導で実行していく必要があり、受け入れる側としても勇気ある一歩を踏み出す企業が増えることを祈っています。

本記事でAMP連載企画最終弾となりますが、最後に本事業への応募を検討している、あるいは途上国、新興国でビジネス展開を考えている他企業へメッセージをお願いします。

奥村氏:JICAの本事業を通して日本企業の皆様が世界各地で活躍することで、途上国、新興国の発展に貢献し、かつ日本国内の活性化につなげることを目指しています。北海道から沖縄まで国内に14の拠点を持っておりますので、どんな国でどんなビジネスの形が良いのかなど企業の皆様と相談することもできますので、お気軽にご連絡ください。