大日本印刷は、和歌山大学観光学部木川研究室、JTB、JR西日本、JAL、青森銀行、あおもり創生パートナーズ、Jストリーム、一般社団法人日本巡礼、日本ユニシス、パロニムと共同で「観光映像プロモーション機構」を3月2日に設立したと発表した。
同機構は、代表理事に前国立大学法人京都工芸繊維大学 学長の古山正雄氏を迎え、産・学・官・民のネットワークを構築し、持続可能な観光地経営の実現を目的として、国内外の課題抽出と良質な観光映像の制作による観光振興を推進していくという。
この取り組みの一環として、3月2~3日に開催される「第3回日本国際観光映像祭」に協賛・協力するとのことだ。

【観光映像プロモーション機構設立の背景と狙い】
観光庁は、2021年度予算の概算要求概要において、新たな旅の普及・定着を図る方針の一つに、デジタルトランスフォーメーションの推進による観光サービスの変革と観光需要の創出を掲げている。
その地域ならではの体験や魅力を伝える訴求力の高い映像などのコンテンツを発信し、生活者の認知から興味へ、そして来訪や購入・消費などの行動を促し、中長期的な地域の活性化につながる観光地経営の実現を推進。
また、自治体などの官と民の幅広い連携によって観光地域づくりを推進する観光づくり法人(DMO:Destination Management Organization)の戦略に基づく「観光映像」について、キャンペーンなどでの一時的な活用から、生活者の「旅行前(旅マエ)」「旅行中(旅ナカ)」「旅行後(旅アト)」などの一連の消費行動へとつなげていくことも重要な課題となっているとのことだ。
こうしたなか、直近では新型コロナウイルス感染症の大きな影響を受けている地域経済を立て直し、持続可能な観光地経営を実現していくため、今回、観光関連事業に関わる企業や団体、教育機関などが一丸となって同機構を立ちあげ。
【「観光映像プロモーション機構」の活動概要】
1.日本国際観光映像祭運営と連動した観光映像の普及
観光映像を起点とした観光振興に関わる企業・団体・自治体・教育機関などがネットワークを構築し、“心を動かし、人を動かす”良質な観光映像の普及を推進。
その活動にあたり、日本国際観光映像祭の運営に協力し、質的向上を図るという。
この映像祭と連動して、良質な観光映像を配信するほか、映像コンテンツを活用した観光振興の在り方などの情報を発信するWebサイト「Sustainable Tourism LABO」を通じて、観光振興への働きかけを行うとのことだ。
2.課題解決につながる観光映像の指標策定、映像制作の手法・技術の開発
観光映像は、再生回数などを指標にして評価されることが多く、本来は地域が指標とすべき「旅行消費額」が直接反映されていないという課題があったという。
そのため同機構では、地域や社会の課題解決につながる観光映像の評価や、新たな指標に基づく観光映像の制作・活用などの方法を研究。また、新指標のもとで国内の観光映像の在り方を探索し、映像制作におけるストーリーテリングの手法や技術の開発、プロトタイプの制作を行う。
開発した手法や技術を活用して観光映像を制作し、映像祭などで広く配信して、新しい観光映像の在り方を実際に提示していくとのことだ。
3.観光映像を起点に新しい観光エコシステムを構築し、観光地経営を支援
生活者の「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」の消費行動を踏まえ、観光映像を起点とした持続可能なまちづくり・持続可能な観光に寄与するエコシステムの構築について、当機構の参画者が連携して推進。
デジタルマーケティングなどの手法も活用して、地域やDMOが開設しているWebサイトやコンテンツと観光映像との連動を図り、各地域へのスムーズな誘客を実現するとしている。
観光映像プロモーション機構 参画企業・団体一覧は以下。
- 国立大学法人和歌山大学観光学部 木川研究室
- JTB
- 大日本印刷
- JR西日本
- JAL
- 青森銀行
- あおもり創生パートナーズ
- Jストリーム
- 一般社団法人日本巡礼
- 日本ユニシス
- パロニム