協和キリンとハーバード大学は戦略的研究提携を締結したことを発表した。

今回締結した戦略的研究提携は、ハーバード大学のOffice of Technology Development(OTD)が主導した5年間の提携プログラム。

産学それぞれの研究者間での科学的なコラボレーションを通じてイノベーションを加速し、トランスレーショナル・バイオメディカル・サイエンスにおける新たな発見を生み出すことを目的としている。

協和キリンは、日本発のグローバル・スペシャリティファーマとして、独自の抗体技術をはじめ多様な創薬技術を駆使し、腎、がん、免疫・アレルギー、中枢神経を中心とした研究開発に取り組んでいる。

今回の提携により、ハーバード大学で創出されたバイオメディカル・イノベーションを、重要な新規治療薬の臨床開発に結びつけることが期待できるとのことだ。

ハーバード大学OTDの戦略的パートナーシップ担当マネージングディレクターであるVivian Berlin氏は以下のように述べている。

「ハーバード大学のライフサイエンス分野における基礎研究は、疾患の生物学的メカニズムの基礎的理解を広げ、新たな治療アプローチの可能性を見出しています。

この度の協和キリンとの提携のように、世界中でサイエンスの側面から協力関係を構築することで、産業界のリーダーシップ、リソース、新しい科学的視点を活用して、患者さんのために人生を変えるような治療法に向けたイノベーションを検証し、開発できる環境を作り上げていきます」

協和キリンの執行役員、研究開発本部長の鳥居義史氏は、次のようにコメントしている。

「この度、世界で最も優秀な研究機関の一つであるハーバード大学のOTDと一緒に、バイオメディカルサイエンスの可能性を探求し、創薬を加速できる機会を得られたことについて大変嬉しく思っています。

協和キリンの最も重要な研究開発戦略の一つは、革新的な価値を生み出す外部のイノベーションにしっかりと積極的にアクセスしていくことであり、業界やアカデミアとの戦略的な提携やパートナーシップにも柔軟に対応していきます。

今回の提携により、将来的には患者さんに有用な治療法を提供できることを非常に期待しています」

この提携プログラムでは、ハーバード大学のライフサイエンス分野で活躍する研究者が提案プロセスを経て個別のプロジェクトが起案されるとしている。

プロジェクトの採択は、協和キリンとハーバード大学のメンバーで構成される共同運営委員会で決定されるとのことだ。